「あーーーぁ今日もかったりぃなぁ・・・な?赤丸!!」

キャンキャンッ

「ん・・・なんだよ・・・・お?!」

赤丸の叫ぶ先を見ると・・・
俺の朝のけだるい気持ちが吹っ飛びそうなほど、楽しいもの発見!!

くくくっ こりゃ、朝からついてるぜっ!!




「おーーーーーーーーーーーすっ!! シカマル!!」





俺の視界の遥かむこうに、かったるそうに両手をポケットに突っ込んで、相変わらずの
猫背で歩いているシカマルの背中が見えた。


がはは。やったぜっ 昨日のとの話しをじっくり聞くチャンスだっ
あーーー 気になる!早く聞きてぇぇぇっ!!


俺は全速力でシカマルの前に走って行った。




「シカマル!よぉ!」
キャンキャンっ



「あ?朝から無駄に元気だな?オメーは。」



振り返ったシカマルのやつれた姿・・・・・・
その目の下のクマは!!・・・
まさかまさか!!!

「お前、昨日あれからマジでと・・・?!」

「あーーー?まぁ・・な・・・・」


でぇぇぇ!!!!


「ヒャッホーッ!お前やったな!おめでとう!シカマル!マジすげーよ!
 あの天然のを説得したのか?それとも押し倒したのか?どっちなんだよっ!!」

ついつい興奮して、俺はシカマルの肩をグワングワンまわした。

「や、やめろっ・・・やめろって!俺マジ死ぬ・・・・」

「あ!・・あぁ悪ぃ悪ぃ・・・・」

そっかコイツ寝不足なんだもんな・・・・

ふあぁ・・・

俺の目の前でシカマルはあくびをした。



「お前さ、寝てねーのか?」

「あぁ・・・寝てねーよ。 ふあぁぁぁ」

またあくびしてやがる。

「朝までヤッてたってことか?」

「あぁ・・朝までやった・・・はぁ・・・・マジすげーだろ?」

バ、バカ!聞いてるこっちが恥ずかしいってんだよっ//////
今度はため息ついてやがる。
うらやましいやつ!!

「あぁ・・・昨日の夜はマジですごかったな・・・のやつ・・・」

「ななななっ なんだとぉぉ!あの華奢で小っこいがか!!」

俺の頭にの姿が浮かぶ。
うわーやべー俺、興奮してきた・・・・

「キバ・・・聞きてーんだろ?」

シカマルは ふふん と笑った。

コイツゥッ 先に経験したからって、コノヤロー!!
でもマジ知りてぇ・・・
の乱れた姿・・・どんななんだ???


「聞きてーシカマル。教えろっ!!」

「仕方ねー。聞かせてやるよ・・・じっくりとなっっ・・・・」

シカマルは俺の目を真剣な顔でジッと見つめて、ゆっくりと話しだした。














俺の腕の中で、恥ずかしそうにしながらも俺の顔をじっと見つめている

「マジで・・いいのか?」
「うん。いいよ。」
「本当に?いいんだな?」
「うん。」

これには絶対にオチがあるぞ・・・暴走しはじめそうな俺を、俺自身の心の声が必死で
制止しようとしている。
なのに、俺は目の前にいるに興奮して・・・もう勝手に体が動く。

を初めて抱く時がきたら、優しくしてやろうとか、大事にしなきゃな・・・
とか思っていたはずなのに、俺はもうなんか自分を見失っちまって・・・


の顎をグイッと持ち上げて、乱暴にキスをした。

「んっ///」

が緊張して、体を硬直させているのが分かった。

でもよぉ・・・もう無理!とまんねーっつうの。

俺は肩に手をまわして、腰を引き寄せて、の体を俺の体に押し当てて、
すげー深くキスをした。


「ん・・・んん////」

は俺とキスしたまま、俺の胸を拳で叩いた。
俺は慌てて唇を離す。

「な、なんだよ?//////」

「もう!シカマルのバカぁ・・・いきなりキスしないでよぉ////」

「んなこと言われたってよぉ・・・」

んじゃ何からはじめたらよかったんだ?
俺の頭は混乱する。
そしたら、が以外なことを言いだした。

「 私、シカマルの誕生日プレゼントとして、ちゃんと練習してきたんだからね!!」

は真っ赤な顔で怒っている。いや?照れてるのか?

「え?あ・・・あぁ悪ぃ」

プレゼントとして練習・・・?
つうか、キスなんてどうやって練習すんだよっ!!
まさかこいつ天然だから・・・もしや誰か俺以外の男と!?

!お前、誰と練習したんだよっ!!!」

俺はとっさにの肩を掴んだ。

「一人でだよぉぉっ 本で勉強したの/////」

「あ・・・・あっそう・・・・・」

本? キスの仕方がのってる本なんてあんのかよ?



コホンッ


が咳払いをした。


「ではシカマル君。私の練習の成果を試す勇気ありますか?」

「え?」

何?お前からしてくれるってことかよ?
バカ/////そんな嬉しいこと、誰が断るかっつうのっ!!

「どうなの?//////」

「あ・・・あります。///////」

「では目をつぶってください。」

「あぁ・・・・はいはい。」

「はい は一回・・・」

「はい」

俺はゆっくりと目を閉じる。
心臓がドキドキと音をたてた。

うわーーーマジ恥ずかしいっつうの。
目ぇつぶって、この先、俺はどうしたらいいんだ?
、早くしてくれっ///////
ドキドキドキドキ・・・

うわ・・・俺の顔、今真っ赤かも・・・
待ってる時間がやけに長い・・・まだかよ!!!





ゴンッ




え?なんだ今の音・・・・???



「シカマル〜目ぇ開けてみて?」

「は?」

なに?キスはどうなったんだよ?
俺はおそるおそる目を開ける。



なんだコレ・・・・嘘・・・・だろ?・・・・・??????





俺の目の前に、将棋板・・・・





「シカマルがしたい事ぐらい分かるって言ったでしょ?」

は勝ち誇ったような顔で笑った。

「お前・・・まさか本で練習したっつうのは・・・・」

「ふふふ!ルールも完璧にマスターしました!!シカマルに絶対勝ってやる〜!!」

「お・お前なぁ・・・・」

「ねぇ早く!早くしよーよ シカマルvvvv」






「誰か助けてくれ・・・・」

この天然バカをとめてくれ・・・・・
俺は一体いつになったら、こいつとまともな男と女の交際が出来るんだよっ
はぁ・・・・一生無理なんじゃねーの・・・・
























シカマルの悲痛な顔・・・

「なぁ・・・嘘だろ?・・・・」

「俺だって嘘だと思いてーよ・・・はぁ・・・・」

やべー 悪ぃシカマル。俺、今、笑いがこみ上げてきて、顔がひきつってきたぜ。

「朝までやったぜ。あいつ勝つまでやるとか言いやがるからよ。 結局俺の120勝0敗
 だったんだがよ・・・・」

「朝まで・・・将棋をねぇ・・・・ぷっ」

「あぁ・・・すげー体力あるだろ?の奴・・・・」

「あぁ・・・そりゃすげーな・・・ぶぶぶっ」



まさか・・・本当に・・・・




「ぎゃーーーーーーーーーーーーははははははははははははっ」



俺は腹を抱えて笑い出した。
もう止まんねーよ!!


「お前らのせいで、俺の誕生日はさんざんだったっつうの!!お前らマジ死ねっ」

「ぎゃははは。さすがは天然のだぜっ あーーーもう最高だなお前らっ ぎゃはははっ」


眉間にシワを寄せて睨んでいるシカマルを無視して、俺は笑い転げた。
だってよっ まさかとは思ってはいたが、いやマジで本当に将棋で朝を迎えるとはな?・・・
あーーーぁマジ笑える!!




「ちょっと・・・・何キバ?そんなに笑ってるの???」

そこにタイミング良く、張本人のが現れた。


「よぉっ !お前、昨日はシカマルの誕生日プレゼントとして頑張ったらしいなっ 」
キバは涙を流しながら笑っている。

「うん。だってキバやみんながシカマルの為に頑張れって言うから・・私頑張ったんだよ。」

「そうだったな?あぁ・・お前はよく頑張ったよ。くくくくっ」
キバは尚も笑い続けながら、の頭をぐりぐりと撫でた。

「なんでそんなに笑ってるの???」

シカマルは隣でキョトンとしているの首に腕をまわして、首をグッとしめつけた。

「キバ・・・今後コイツに妙な役回りさせんじゃねーぞっ いいなっ!!」

「何?何よぉシカマルまで、なんの話しなのぉ??」
はまだ話しの内容が把握できずに首にまわされたシカマルの腕につかまって、
キョロキョロしている。

「分かった。分かった。昨日は俺達が悪かった。シカマル!お前も頑張れよっ ぎゃははは。」

キバは赤丸を抱き上げて、ブスッとした顔のシカマルに笑いながら手をヒラヒラと振って、
去って行った。








「もうっ!何あれ!キバったら私のこと散々笑ってくれちゃってさっ 私のことバカにしてるよっ!!」

は頬を膨らませた。

「いいじゃねーかよっ キバはほっとけって」

シカマルはそんなに優しい顔で笑いかける。


今日は快晴、気持ちの良い風が雲をゆっくりと運んでいく。


「なぁ ・・・」

「え?何」

「昨日はお前とずっと一緒にいられてよ、俺、マジ嬉しかった。ありがとなっ/////」

シカマルの唇がのおでこに優しく触れた。


は真っ赤になって小声で呟く。


「どういたしまして・・・私も幸せだったよ。

「あ?」

「なんでもない//////」


キバ達に笑われたっていい。
だって私の隣でシカマルが笑ってくれてるもん。
そっと触れた指先に気づいて、シカマルが私の手をギュッと握ってくれた。


お互いに顔をみるのも恥ずかしくなって、2人でずっと空を見上げていた。


(私ね、シカマルが隣にいてくれるだけで、すっごく幸せな気持ちになれるんだよ。)
(俺も、同じだって・・・)

(あーーぁ めんどくせーけど、もう一回誕生日してーな。)


そして2人で笑い合う。


誕生日の思い出は2人だけで過ごした最高の思い出。
夜がきて、朝がきて、それでも一緒に過ごせた、大切な大切な思い出。







風がふわりと吹き抜けて、とシカマルの髪を空にむけてなびかせた。









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※実はラストは2つあります。
 お好きなラストで完結してください。
ちなみにもう一つは・・・シカマル誕生日だから・・・サービスです。






















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