「それで?7班メンバーはどこにいるのよ。サクラ」

「えっとね・・・確かこの辺りで修行してるはずなんだけど・・・・」

サクラちゃんがまわりをキョロキョロしはじめると、遠くから手を振って走ってくる人影が・・・




「おーーーーーい!こっちだってばよっ!サックラちゃーーーーん」

まるで風をきるように、少し小柄で身軽な金色の髪をした男の子が飛び出すように走ってくる。




「あっ いたいた!ナルトこっちこっち!!」

サクラちゃんが大きく手を振ると、金髪の男の子がニシシと笑った。
青空にキラキラと輝く髪が風に揺れていて、私は思わずみとれてしまった。


「ナ、ナルト君///////」

私の隣でヒナタちゃんが真っ赤な顔でポツリと呟く。


「遅かったから心配しちまったってばよぉっ で? 、大丈夫か、お前」

ナルトという男の子の青い瞳が私の目をジーーッと覗き込む。

「え?あ・・・はい。」

顔が近くて、なんか恥ずかしくて、私は真っ赤になった。

「そっか。思ったより元気そうで良かったってばよ」

にっこりと笑うその笑顔があまりに屈託なくて、純粋で、不思議なオーラを持つナルト
という男の子。
なんだか安心できるなぁこの人・・・・


「シカマルも・・・元気にしてっか?あいつの事だから、あれこれ考え過ぎてんじゃねぇの?」

ナルト君はニシシと笑う。

(あぁ・・・ナルト君はシカマル君のお友達なんだ・・・・)

この懐かしい感じは、シカマル君と少し似てる。
私はやっぱりナルト君とも仲良しだったのかな??・・・
まるで昔から知っているような、妙な安心感。なんかホッとする・・・・・






「ねぇねぇサスケ君はどこよ?ナルト」

いのちゃんがなぜだか目をキラキラさせて、ナルト君に言った。



サスケ・・・・君?



また聞き覚えの無い名前。



「サスケなら向こうで修行中だってばよっ」


ナルト君はいのちゃんに唇を尖らせて、そして ふんっ と鼻を鳴らした。


「きゃーーー//////早く行くわよ!ほら、!」

「え?う、うん」


いのちゃんに突然グイッと腕をひっぱられて、足がもつれそうになりながら、私はいのちゃんの背中を
追うように走らされた。


「こらーー!!いの!!」

後ろからサクラちゃんの怒った声が聞こえる。

「ま、待って、いのちゃん!」

「ったく・・・サスケバカ!!」

後からヒナタちゃんとナルト君も私達を追ってきた。









その場所は、さっき8班の男の子達がいたところと同じように、木々が刈られ、まるい円形に
修行場所がつくられているようだった。




「きゃーー//////いたいた!サスケくぅーーーーーんvv」



いのちゃんが仕切りに手を振っていると、後から全力で走ってきたらしいサクラちゃんも
負けじと手を振り出す。


「サスケ君!が来たの!ちょっと来てぇvv」


2人の様子を見ていて、私にも ぴーーん ときた。


どうやら サスケという男の子は女子に相当人気のある人物らしい・・・・


はぁ・・・・でも正直、今の私には、なんの興味も沸かない。
男の子がどうとか、今は関係ないもん。
それより私は自分の記憶をたどる何かのきっかけが欲しかった。




でも・・・・・・



「やっと来たか・・・・・それで・・・はどうなんだ?」


私は目の前に現れたサスケという男の子の顔をみあげる。



その瞬間に私の目はサスケ君に釘付けになった。



だって・・・・


男の子のわりに、やや大きくて濃い青をした瞳はとても綺麗だった。
おまけに鼻筋も通っていて、肌も色白ですっごく綺麗。女の子にしても絶対綺麗だろうなぁと
思えるほど整った容姿。


こんな綺麗な男の子・・・見たことないよ!!



「なんだ?どうした?」

「い、いいえ。」


サスケ君にじっと見つめられると、なんだか緊張して心臓がバクバクする。
頭がからっぽで言葉なんて出てこなかった。


「ちょっとちょっと・・・ったらどうしたの?」


サクラちゃんに肩を叩かれてたみたいだけど・・・なんか何も感じない。
まるで金縛りにあったように、私は目の前の綺麗な顔をしたサスケ君にみとれてしまった。


「サスケ君、また修行してたの?強いんだから、そんなにマジメにやらなくてもいいのに」


サクラちゃんは頬をピンクにしながらモジモジとそう言った。


「そうよアカデミーでもトップの成績だったのに/////でもいつでも手を抜かずに真剣でさぁ。
 そこがサスケ君のいいところよねぇ/////」


強気ないのちゃんまで真っ赤な顔になってる。






「俺だってちゃんとやってるってばよっ」

後ろでナルト君が小声でつぶやいた。

『あんたは弱いんだから当然なの!!!』

サクラちゃんといのちゃんの突っ込みに、ナルト君は頬を膨らませている。

「ナ、ナルト君も・・・・・・え、偉いと・・・思う・・よ」

ヒナタちゃんがフォローした。

「サンキューヒナタ。」

ナルト君はへへへと照れて笑った。


なんかかわいいなぁこの2人。







それにしても、サスケ君てそんなに強いんだ・・・・
アカデミーでもトップかぁ・・・・

そんなに強いのに・・・毎日、修行を?・・・・・
サスケ君て偉いんだなぁ・・・・・
昼寝が趣味だなんて言ってるシカマル君とは大違いだわ・・・・・


私の脳裏には、2階の縁側で ふあぁ なんて大口あけてあくびをしているシカマル君の呑気な顔
が浮かんできた。


(同じように、強い忍びをめざしている男の子とは思えないわよね・・・・)



目の前にいるサスケ君がなんだか特別な男の子に見えた。




「で?俺にどうしろっていうんだ?」

「えっと///ね。に何か話してあげて欲しいの///もしかしたら思い出す事もあるかも
 しれないし・・・」

サクラちゃんがもじもじ話すと、サスケ君はあっさりと


と・・・・分かった。」


私に向かって歩いてくる。


「ほら、あんたもよ!」

サクラちゃんがナルト君の腕をひっぱって、私の前に連れて来た。




「あの・・・えっと・・・//////」

どうしよう。なんか目の前に立たれると恥ずかしい////////
だって、一体何から話せばいいの?私がモジモジしていると、


「なぁ!俺の事覚えてねぇってば?シカマルとお前と俺でよぉ。結構、一緒につるんでたんだぜ?」

ナルト君は私の顔を覗きこむようにして、ニシシと笑う。


けど・・・


「ごめん。何も・・・覚えてないの・・・・」

シカマル君とナルト君と一緒に・・・修行でもしてたのかな・・私。

「そっか。一緒に授業バックレてよ、イルカ先生に怒られたりしたんだけどなぁ・・・
 やっぱ覚えてねぇか・・・」

「え?・・・・・・」

私がじゅ、授業をエスケープ・・・・




ガックリとその場に倒れそうになった。
あぁもういっそこのまま記憶を無くしていた方が幸せかも・・・私。
マジメで一生懸命なサスケ君の前で、もの凄く恥ずかしくて、この場から逃げたかった。


「サスケぇ。お前も話してやれってばよ」


ナルト君がサスケ君をこづくと・・・・・
サスケ君のキリっとした瞳が私を見つめた。
いったい私はサスケ君とどんな思い出があるんだろう・・・・
なんとなくワクワクしてきた。

なのに・・・・


「もともとお前との思い出なんて数えるぐらいしか無い」

サスケ君があっさりとそう言った。


ガクリ・・・・


またかなりショック。
でも冷静に考えてみれば、そりゃそうだよね・・・授業もさぼってテスト前にシカマル君なんか
に泣きついている私と、マジメで優等生なサスケ君・・・接点なんてあるはずないかも・・・


て事は・・・やっぱり川でおぼれた私を助けてくれたのはサスケ君じゃぁ無いわけよね。


もしかして、あの川での記憶だって、実際の出来事なんかじゃなくて、あれは私の夢なのかも
しれないんだし・・・・


「はぁ・・・」


私がため息をつくと・・・・
サスケ君は ふん と鼻で笑った。




「お前が川でおぼれた時の事は、今でもはっきり覚えてるがな・・・・」



え?



「私が・・川で・・・??」


心臓がドキドキと高鳴る。
嘘・・・なんでその事を知ってるの?
ま、まさかサスケ君が・・・・・あの時の男の子?・・・・


「そんなことあったんだってば?」

ナルト君はその事を知らないのか、目を丸くしている。



「あぁ・・・でもたぶん、お前はそんな事、今は覚えてないだろうがな・・・」


サスケ君は少し笑ったけど・・・でも・・・覚えてるんだよ。私。
しかも唯一その記憶だけがよみがえってきたんだよ。




驚きと興奮で体が震えているのが分かる。
だって、あの記憶は本当だったんだ!!!




私を水の中で必死に抱きかかえてくれた腕。
幼い頃だから、声はもっと子供だったけど、でも「!」と呼ばれて妙に安心した私の気持ち。
自分がおぼれそうになりながらも、何度も水を飲みながらも、私を守るのに必死で泳いでくれた男の子。


まさか・・・その男の子って・・・・・・



「もしかして・・・サスケ君が私を助けてくれたの?・・・・・・・」

「あぁ・・・・。 まさか、お前・・・覚えてるのか?」

サスケ君はすごくびっくりした顔をしていた。

「ううん。覚えていたんじゃなくて、あの時の記憶だけ、ぼんやりとだけど思い出したの。」

「ふうん。」

サスケ君はあまり興味もなさそうに、あっさりとそう答えた。

「あ、あの・・・あの時、助けてくれて・・・ありがとうサスケ君//////」

私はすごくドキドキしながらそう言った。

「いや・・別に。大した事じゃないだろ? それに、俺が覚えてるお前とのはっきりとした記憶といえば
 ・・・あの時ぐらいなものだしな。」

「そう・・なんだ/////」

それでも嬉しい。

目の前のサスケ君の顔をジッと見る。
この人が私を守ってくれた。助けてくれた。


。どうした?他にも何か思い出したのか?」


サスケ君の顔をジーーッと見つめたままの私に、サスケ君は不思議そうに私の顔を見ている。
深い青の瞳と、柔らかい黒髪。綺麗な顔が私をじっと見ている。


私の体中が心臓になっちゃったみたいに、ドクドクと飛び出すように音をたてている。
この心臓の高鳴りは、命の恩人をやっと見つけたという喜びとは別だと、自分でも自覚してる。



そう・・・私・・・



サスケ君に恋しちゃったみたい//////////











「おいっ !!一体どうしちまったんだってばよっ!!」

ナルト君に肩をギュッとつかまれた痛みで、ハッ と我に返った。

「え?う、ううん/////な、なんでも無いの。」

頬にまだ熱を持っている。
サスケ君の顔をまともに見られない/////会話するのも恥ずかしいぃぃ//////

「収穫ゼロかよぉ・・・」

「うん。ごめんね/////」

落ち込む素振りのナルト君に申し訳ないと思った。

「とにかく、俺がお前にしてやれる事はもう無さそうだな。」

そっけないサスケ君の言葉。
でも、私はあなたがあの時私を助けてくれたって事が分かっただけでもう充分な気がした。
すっごく嬉しい!!
サスケ君があの時の男の子だったなんて!!


「ありがとう・・・修行の邪魔してごめんなさい//////」


まともに目もあわせないで、私はサクラちゃんやいのちゃんのところに走った。


やっと見つけた!私の王子様!
私を命がけで助けてくれたのは、サスケ君だったんだ!!!

高鳴る心臓。嬉しくて嬉しくて踊りだしたいような気持ち。
サスケ君が私の運命の人かもしれない///////



だって私、あの川でおぼれた時、
あの時、あなたが助けに来てくれて、私の名前を呼んだ瞬間に、すごく安心したんだよ。
あぁもう大丈夫。あなたは、私を絶対助けてくれる。

あの絶対的な安心感。

あの気持ちは本当だったんだ。

今でも、あなたが私を抱きかかえて岸まで連れて行ってくれた姿をはっきりと思い出すことは出来ないけど、
でも、あの腕のぬくもりと、子供のくせにがっしりと力強く、私のことを大切に抱きしめてくれていた感触
だけは覚えてる。

そしてその感覚が今でも私の心臓をこんなにもドキドキさせてるんだよ。



早くあの時のサスケ君の姿を思い出したい。
あなたは一体どんな子供だったの?どんな顔してたの?



サスケ君の話しを聞くと、その後、私とサスケ君にはあまり接点は無かったんだね。


でも、きっとあなたはそれからもずっと私の憧れの人だったに違いない。


だってあなたは私を助けてくれた勇敢な王子様だもの。












・・・・・・」


その時ナルト君が呟いた声は私には聞こえなかった。

















「どうだったの?!!」

サクラちゃんやいのちゃんに顔を覗かれる。

「へ?/////うん。何も・・・何も無かったよ/////」

なんか言いづらくて、私はそう答えた。

「そっか。まぁ落ち込まない事よ!!」

いのちゃんに言われて、心苦しい。だって落ち込むどころか、私ってば本当にドキドキしちゃって。
あの時の頼りがいのあるサスケ君の胸や腕の温もりを思わず思い出しそうになる。


「でも、私はサスケ君に会えてラッキーだったわぁ/////」

「そうね!サスケ君ったら相変らずかっこいいんだもーん/////」

サクラちゃんもいのちゃんも顔を真っ赤にして目をキラキラさせている。


はぁ・・・でも、これはライバルも多そうだわぁ・・・・・・


隣ではしゃいでいる いのちゃんとサクラちゃんを見てため息が出た。







「さって、行くところも無くなったし、甘味屋であんみつでもどうよ?」

いのちゃんがニシシと笑う。

「え?でも、チョウジは?」

サクラちゃんの言葉に・・・

「あいつならそこにいるでしょ?きっと。」

「そうねっ」

サクラちゃんとヒナタちゃんもくすくす笑う。
チョウジ・・・君?

どうやら甘味屋にチョウジ君という男の子がいるらしい・・・・・

また新しい友達に会って、少しでも記憶を取り戻すことに専念しなきゃ!!!
だってみんな私の為にこんなに一生懸命になってくれてるんだもんっ!!




チラリと振り返ると、サスケ君が真剣な顔で修行している姿が見えた。
真剣な瞳がすっごく綺麗。
一生懸命な姿にドキドキした。


(早くちゃんと記憶を取り戻して、サスケ君といろんな話しをしてみたいなぁ・・・/////
 頑張らなきゃ・・・・)


私は拳を握りしめて、気を引き締めた!!


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