暑い日だった。

外ではセミが鳴いていて、ジリジリと暑い太陽が降り注ぎ、
店の手前まで熱気が漂っている。


「暑ぃなぁ・・・・・」
「あぁ・・・・」

キバとシノは任務の帰りにアイスを食べながら店先で話しをしていた。

「なぁ、知ってっか?シノ」
「なんだ?」
「俺さぁ、マジ驚いたぜ・・・・」
「だから何がだ?」
「あぁ・・・・シカマルといのの事だよ・・・・・」


キバはアイスを舐めながら答える。


「まさかあの2人が付き合ってるとはなー・・・・」
はぁ・・・キバは溜息をついた。

「シカマルといの?・・・の間違いだろ?」
シノはすごく冷静に静かに言う。

「だと思ってたんだがよ・・・俺見たんだ・・・・」
「何をだ?」


「2人がキスしてんの・・・・・・」


「お前の見間違いだろう・・・・」
シノはまだ冷静だ・・・
「違げーよ・・・・ほら・・・あの飲み会の帰りさ・・・
 いなかったろ?風邪ひいたとかでよ・・・・・」

「・・・・・・・・」
シノはその日の事を想いだしているようだ。

「そんでよぉ、俺もかなり酔っぱらってて、帰り道にしょんべん
でもしようと思って、木陰にいったらよ・・・」

シノは真剣にキバを見ている。

「シカマルといのがキスしてた・・・・・・・」






ガタンッ




突然、店の奥から、大きな飴玉の入った箱が転がってきた。

2人はふいに真っ暗な店の奥を見つめた。




・・・・・・・・・・・・!!・・・・・・・・・・・・・



!』


キバとシノの声がはもった。


「お前・・・さ・・・・・いつからそこにいたんだよ?」

キバは遠慮がちにに話しかける。


でも、は無言のまま、泣きそうな顔をした。

「あのな・・・・・・・えっと・・・・だからよ・・・・今の話しは
 その・・・俺も酔っ払ってたから・・・・」

「そうだな・・・・キバの話しはシカマル本人に確認したものでは
 ない。曖昧なものだ・・・・」



はそれでも何も言わず、唇をギュッと噛んで、ダッと
走っていってしまった。



「やっべー。俺どうしよう・・・・」
キバは頭を抱えている。

「とにかくシカマルに連絡した方が良いだろう・・・・」












「はぁ」

シカマルは盛大に溜息をつきながら、家に向かっていた。


「このくそ暑い日にくだらねー任務なんかやらせやがって。
 ったく勘弁しろっつうの。」

でも、そのくだらない任務とやらも終わって、シカマルは家へ
と帰ってきた。

「ただいま」

台所から声がする

「おかえり〜」

威勢のいい声。
母ちゃんの声だ・・・・・
いつもなら、この声にまじって、が元気よく玄関先に現れて
抱きついてくるはずなんだが・・・・

今日はいねーのか?


俺はそそくさと靴を脱いで、台所へと向かった。


そこには母ちゃんとが立っていた。

「なんだよっ お前いるじゃん・・・・・」
俺はに向かってそう言った。

「いちゃいけないの?」
は少し膨れて答える。

「今ね、にマメの筋をとってもらってるとこなの
 何?玄関までお迎えにきてほしかったの?」
母ちゃんが笑っている。

「んなわけあるか・・・めんどくせー」
ふんっ 

いつもなら、も俺をからかったりしてくるんだが・・・・

は何も言わず、くるりと背を向けて、またマメの筋を取り始めた。


なんかいつもと違うな・・・・
・・・どうしたんだ?

でも、任務で疲れてたし、まぁ大して気にもとめずに俺は部屋へと
あがった。



部屋着に着替えて降りてくると、夕飯の支度が整っていた。

「さぁ食べましょ!」
「親父は?」
「任務で遅くなるんだってっ とかいってまた飲んでくるんだろうけど・・」
「あっそ・・・・・・」

俺は構わず席につく。

「そういえば、あんたこの間の飲み会で、ずいぶん酔っ払ってたけど、
 父ちゃんみたく、変なことやらかさないでよっ!」

この間の飲み会・・・・

俺はドキッとした。


カチャンッ


俺の隣の席でが箸を落とした。


「ご、ごめん。」
はアハハと笑って箸を拾った。

「俺は親父と違げーよ。あんな無茶な飲み方してねーし。
 つうかよっ ふつうは未成年が酒飲むことを注意するもん
 じゃねーのか?」

俺は母ちゃんの顔をチラッと見た。

「注意しても飲むでしょ?それに母ちゃんもあんたの歳の頃は
 とっくに飲んでたしね・・・」

ふふふと笑う。

「やっぱ不良だ・・・母ちゃん・・・・・」

な?って俺は隣のを見た。

?」
は笑いもしないで、机の一点を見つめてぼーっとしていた。

「え?あ・・・うん。」

俺に名前を呼ばれて、やっとわれに返った様子の
俺を見てまたアハハと笑った。

さっきからなんだ?


俺は少しの様子が気になりだした。


「母ちゃんおかわり」
「はいはい」

母ちゃんが席を立ったのを見計らって、俺はの顔を覗く。

「お前さ、何かあった?」
「べつに何もないよ・・・・・・」

は俺の顔もみないで、ご飯をぱくりと食べた。


何もないって態度じゃねーじゃねーかよ・・・・
俺は眉間にシワを寄せて、を見る。

「んじゃ、俺の顔見ろ・・・・」

は無言で俺の顔をゆっくりと見た。

その目はなんだかじんわり濡れていて、泣きそうに見える。

「なんかあったろ?めんどくせーけど聞いてやるから言ってみろ」

は無言で顔を横にふった。



「どうしたの?2人とも・・・・」
母ちゃんが俺のおわんをもって戻ってきた。

「なんでもないです」

はまた嘘だってバレバレの笑顔で笑った。


「そ、そう?」
母ちゃんもなんだか気づいたらしい・・・でも何も言わなかった。







その後は任務の話しだとか、くだらねー話しをして、飯の時間は
終わった。


・・・お前、ちょっと俺の部屋こい」

俺は食器を片付けているの背中にそう言うと、階段を昇って
2階の部屋にあがった。





今日のは絶対おかしい・・・・
でも、なんで?
昨日まで全然元気だったはずなのに・・・
俺はモヤモヤした気持ちでベットにギシッと音をたてて座った。



トントントン・・・・

ゆっくりとが上がってくる音がする。


ガラッ
ゆっくりと扉があいた。

は何も言わずに俺の隣にそっと座った。

「お前さ、なんか変だぞ・・・・」
俺は隣のをチラッと見る。

はまた何も言わずに俺の顔を見つめていた。

「な、なんだよ・・・」
今にも泣き出しそうなの顔に俺は動揺した。



「ううん・・・別になんでもないよ・・・・」

俯いたのおでこに俺はとっさに手をあてた。

「熱・・・・ねーよな?」

「うん」

「腹痛てーとか?」

「違うよ・・・・・・」


はぁ・・・・俺は溜息をついた。

「んじゃ・・・どうしたんだよ?」



はゆっくりと俺を見て、またうっすらと笑う。

「シカマルは昔から心配症なんだからさ・・・・私はシカマルに心配してもらう
 ほど、もう子供じゃないよ・・・」


別に俺はお前を子供扱いして心配してる訳じゃねーよ・・・・・

そう思いつつ、俺は

「へ・・・お前は今でも子供じゃねーか。俺が見ててやんなきゃ、
 何しでかすか分かんねーもんな・・・・」

ちょっと意地悪く笑って言った。


はきっと怒ると思った。いや、ふざけて殴ってきたり、そういうのが
いつものパターンだし・・・

でも・・・・

「もう平気・・・私のこと見ててくれなくても平気だよ・・・・シカマルは私
 に気を使うことなんてないんだから・・・・ね・・・・」

はそう言うとそっと立ち上がった。


俺はの言う意味がよく分からなかった。
なんでそんなこと言うんだ?
・・・やっぱ今日のお前は変だ・・・・・


・・・」
俺が手を握ろうとしたら、は言った。

「帰るね・・・・・」

「え?あぁぁ・・・・んじゃ送る・・・・」

「平気・・・すぐそこじゃない?私はもう一人でも平気だって言った
でしょ?」

振り向いたの顔がやけに大人びて見えた。




の家は俺の家の目の前で、だから送る必要は無いって言っちゃ無い
んだが・・・でも、昔から、は暗がりが怖いと言って、俺はいつも玄関先
までを送っていた。

それはもう当たり前のように続いていたから、俺にとっちゃーそれは
めんどくさい事にも入らないような習慣的なものになっていた。


「なんで?送ってやるって。いちようお前も女だしな・・・・」

「いちようは余計ですぅ・・・」
はフフフと笑った。

その顔はいつもの笑顔に見えた。





の家の玄関前まで来ると、はこちらにくるりと向きなおした。


暗がりでよく見えなかったが、の顔はやっぱり悲しそうに見えた。

「ねぇ・・・シカマル・・・・」

弱弱しい声に俺は少しとまどった。

「なんだよ・・・・」




それからしばらく無言が続く。



「な、なんでもない・・・・・また明日ね」
はまた作ったように笑った。

「ん・・・・・」

やっぱりおかしい・・・・・でも・・・・・

俺はこれ以上問いただしても、は今日はきっと何も
言わないだろうと思い、そのまま帰ることにした。
女ってのは、色々あんだろう・・・・きっと・・・・・・

そんな風に考えてた俺は本当にバカだ・・・・・






家に帰ると母ちゃんが俺を呼ぶ。

「シカマル!キバ君から電話よ」

「あぁ・・・・」

キバから?なんだ?



受話器をとる
「もしもし・・・・」

『シカマル悪ぃ!』

キバは開口一番にそう言った。

「なにが?」
俺は意味が分からず、眉間にシワを寄せながら答える。

『実はさ・・・俺・・・見ちまったんだよ・・・んで、それをその・・・・まさか
 がいると思わなかったからよ・・・シノに話しちまって・・・その
 に聞かれちまったんだ・・・・・』

「は?」
何言ってんだか、全然わからねー・・・・・・


「キバ・・・落ち着け・・・・ちゃんと話せよ・・・が何だって?・・」

これはもしかして、さっきののおかしな態度に関係してると
直感した俺は、キバをさとすように話した。


『だからよ・・・・あの飲み会の帰り・・・・・俺、見ちまって・・・・・』


「・・・・・・・・・!!・・・・・・・・・・」



飲み会の帰り・・・・・
その言葉に顔から血の気が引いていくのが自分でもわかった。


俺の頭はふる回転して、あの日の飲み会の事が頭を回った。







あの日、久しぶりにアカデミーのクラスで飲み会を開いた。
今はみんなスリーマンセルでそれぞれの任務をこなしているから、
みんな揃うなんてのは本当に久しぶりで、俺達みんなガンガンに飲んで
いた。
当然、参加したみんなはベロンベロンに酔っ払っていた。

もちろん俺もその一人。

ただ、その日、だけは風邪をこじらせて休んでいた。





久しぶりに大声でわめいたり、バカ騒ぎして、みんなで大盛り上がり。
仲間ってやつを実感した気持ちのいい夜だった。


そろそろお開きってことで、俺は帰り方向が一緒のいのを送っていく
ことにした。

つうか、いのは俺以上に酔っ払っていて、どうにもこうにも一人じゃ
帰れない状態だったんだよ・・・・



「つうかよっ いの。 おまえ飲み過ぎ!」
「うるさーーーーい!バカマル!」
いのは俺の胸倉を掴んで、超不機嫌って顔をした。

「はぁ・・・・何荒れてんだよっ」
理由はだいたい察しがつくけどな・・・・

「だってぇ・・・サスケ君が・・・サクラのこと送っていったんだもーーんっ」
ふえーーーん。

今度は泣いてる・・・あーーーぁ・・・・めんどくせーーー

「お前さ、いい加減、サスケは諦めたんじゃなかったのかよっ 
 この前まで一般の男と付き合ってたじゃねーかよ。」

いのの肩を支えながら、俺はゆっくりと歩きだす。

「もう別れたわよ・・・あんな弱い男・・・全然だーーーーーめ」
ふんっ 

いのは案外もてるから、これまでも色々な男と付き合ってるのは知ってる。
でも、まだサスケのこと忘れてねーんだな・・・・
それはすごく以外だった。

「シカマル・・・私、気持ち悪い・・・・・」

「え?まて、そこ座れよ・・・・」

俺はゆっくりと木の下にいのを座らせる。

「吐きたきゃ、吐け」
俺は背中をさすった。

「なーーーーんちって・・・・歩くのがかったるかっただけ・・・・」
がはははといのは笑っている。


こ、こいつは相変わらずわがままな・・・・・・


「シカマルはがいて幸せでいいよねーーーん」
いのは目をとろーーーんとさせながら俺を見た。

「まーーーーな。お前とちがって俺は幸せだから・・・」
ふふん
俺は意地悪く笑ってやった。

いのは眉間にシワを寄せて、ちょっと怒り気味に言う。

「でも、あんたまだにキスもしてないじゃんっ」


は?


お前はいきなり何を言う!

「仕方ねーだろっ の方にその気ねーんだから・・・」
「ふんっ のせいにしちゃってさ・・・この根性無し!」

グサッ

俺の胸に今、確実にクナイのような硬いものが突き刺さった感じ
がした。

そうだよ・・・にキスできねーのは俺がびびってるからだ。
ヘタに手を出して、に嫌われるのが怖いとか思ってる俺が
びびりなだけだ・・・・

「そんなんじゃ、そのうち、に愛想つかされるわよーーん」

「な、なんでっ!」

いのはふふふーーんと意地悪く笑いかえした。
立場逆転・・・俺はかなり不利な状況だ・・・・

「だって、シカマルキスしたことないんでしょ?」

「あるわけねーだろ・・・・」

「ってことは、にするのがはじめてってことになるわよね?」

「ま、まーーな・・・・・」

俺は動揺しまくっていた。

「あのねーシカマル・・・キスもうまくできない男は嫌われるわよ・・」

「けっ 余計なお世話だっつうんだよ」
そう言いながらも、俺は内心焦っていた。

「あーーーシカマルはと別れる運命かもねーー」
いのはわざとかわいそうにと俺の頭をなぜてみせた。

「やめろっ!バカ!」
俺はかなり動揺していた。
キスのヘタな男は嫌われる?

「よしっ!私が教えてあげよう!」
いのはえへんと威張ってみせた。

「は?冗談だろ?」
俺は後ずさりした。

をメロメロにさせるキスよ!」

「こ、断る・・・・」
俺はかなり焦った。

「あんた、に嫌われてもいいわけーーー?」
いのは俺の腕をぐいっと引いて、顔を近づけた。

「だからって・・・・」
俺は内心迷っていた。
キスってなぁ・・・・相手はいのだぞ?でも、キスぐらいしても
これは練習だし・・・でも、俺が本当にしたいのはだし・・・・
でも、初めてにしたキスがすげーヘタだったら、やっぱ
に嫌われるのか?俺は・・・・・


酔っ払ってたせいもあって、頭がキチンと判断を下してくれない。
俺の意識は飛び飛びにまわっていた。

「男でしょ?覚悟決めろっての!」

今思うと、なんの覚悟だよ!って感じなんだけどな・・・とにかく、
いのも俺もそうとう酔ってて・・・・もう半ば、冷静な判断なんて
できなくなってたし・・・

「わ、分かった・・・・・」
俺はいのの顔を見つめた。

「触れるだけねっ」
いのは俺の首に腕をまわす。

「お、おお・・・・」
俺はいのの頬に手をかけた。



やわらかく、じんわりといのと俺の唇が重なった。



これはキス・・・・なのか?


顔を離す。

いのの顔はさっきの酔っている時より赤い。

「やっぱりやばかったかな?」

「あぁ・・・そ、そうだな・・・・」

「キスはさー やっぱり好きな人とするもんだよねー」
アハハ・・・
いのは乾いた笑いをした。

「だよな・・・・・」

今更遅せーーよ・・・・第一、お前が誘ったんじゃねーか。
俺もつられて笑ったものの・・・・一気に酔いが覚めるほどの自己嫌悪。

いのにもにも俺はすげー悪いことをした気分になった。

「あのよ・・・・いの・・・・悪ぃ・・・・・」

とにかく俺はいのに謝った。

「シカマルのせいじゃないしさ・・・あはは・・・でもこのことは私達
 だけの秘密にしようね・・・・」

「そだな・・・・・」

いのも今ので酔いが覚めたのか、一気に立ち上がって、帰ろうとした。

「お、送る・・・・」
「う・・うん・・・・・」

その後、俺達はほとんど無言で、気がついたらいのの家の前に付いていた。


「シカマル・・・・このことはには絶対内緒だからね」
「あたり前だろ・・・・・」

そうだよ・・・こんなことにバレたら・・・俺はそれこそおしまいだ・・・
なんでこんなことしちまったんだ?俺は・・・・
後悔してももう遅い・・・・

「私どーーしよーーー。私、シカマルなんかより、の方がずっと大事
 なんだから!絶対に秘密にしなきゃ。に嫌われたく
 ないよぉ・・・・ふえーーーん」
いのは酔いが冷めたことで一気に不安になったらしい。
さっきまでの強気のいのはやっぱり単に酔っていただけなんだ・・・

「とにかくだ・・・今日のことは忘れるぞっ お互い酔ってたんだし・・・」

俺は錯乱状態のいのをなだめるように言った。

「そうよね・・・お互いかなり酔ってたわけだし・・・・・」



それじゃ・・・・・


とにかく強引に話しをまとめて、俺達は自分を納得させることにした。
それでも、いのと俺はものすごく重大なミスを犯したような気分で、
どっぷりと落ち込んだまま、別れた。










そう、それがあの飲み会の帰りの出来事だ・・・・・・・

『もしもしっ シカマル聞いてっか?』

俺の耳元で受話器の向こうからキバの叫ぶ声が響く。

「キバ・・・・お前さ・・・・何を見た?」
俺はたぶん100%分かっていたことだが、ほんの少しの確立でも
違っていてほしいという願いで尋ねた。

『だから・・・その・・・お前といのがキスしてるとこ・・・・・・』




ガーーーーーーーーンッ

これが漫画だったら、きっと俺の頭には100トンと書かれたハンマー
が落ちてただろうよ・・・・


分かりきってた答えだったが、俺は目の前が真っ暗になった。


「あれはな・・・・酔った勢いでな・・・・」

『でもよ・・・・なんかすげーいい雰囲気だったじゃねーか・・・オメーら』

そ、そうだったか?はたから見たらそうなのか?
ちっともいい雰囲気なんかじゃなかったはずだ・・・・・

「とにかく・・・俺はいのと付き合ってねーんだよっ」

『ってことは・・・やっぱり、・・・だよな?』

「まぁ・・・・な・・・・・」

つうか、俺とだって付き合ってるっていうには怪しい関係だ。
別になにしたとか、告白したとかそんなんじゃねーし。
でも、たぶんと俺は両思いってやつだ・・・・。

『やべーよ。俺、に何って言えばいい?つうかよ・・・シカマルマジで
 ごめんっ』

キバは心底謝っているのは分かった。
もう、とにかくにバレたんだったら、どうもこうも誤解を解くしか
ねーし。つうか誤解じゃねーしな・・・俺はマジでいのとキスしちまった訳
だし・・・・

「とにかくだ・・・キバ・・・お前、このこと他のやつに言うなよ・・・」

『わ、分かった・・・・』

には・・・俺から・・・・まぁ・・とにかく俺がどうにかする」

『お、おお・・・頼むぜ シカマル。泣いちまったし・・・』




電話を切って、俺はその場にしゃがみこんだ・・・・

どうにかするって言ったものの・・・・俺はどうしたらいい?
に何て言えばいいんだよっ・・・・・


頭が混乱して、息が上がってくる。


俺はを失いたくねーーーー・・・・・・・


人生最大のピンチってやつがあるとしたら、今がまさしくそうだ。
俺は頭を抱える。


落ち着け、何かいい案があるかもしれねーし・・・・・

高鳴る心臓の音を聞きながら、俺は必死で頭を巡らせた。





NEXTへ




戻る




55 STREET / 0574 W.S.R / STRAWBERRY7 / アレコレネット / モノショップ / ミツケルドット