今日の天気は最高だ・・・

青い空・・・白い雲がゆっくりと風に流れていく・・・

俺は自分の部屋のベットにゴロンと横になって、たなびくカーテン
から覗く、そんな空の光景に満足しながら、ゆっくりと目を閉じた。



こういう日はきまって、気持ちのいい夢を見る。
内容なんて覚えてねー・・・でも、目覚めが最高にいいんだ・・・・







やっぱりな・・・・・
多分これは夢の中だ・・・・

俺の目の前には見たこともねーような、色とりどりの花が一面に
咲きみだれ、心地よい風と一緒に甘い香りが俺の鼻をくすぐる。
心が落ち着く、ホッとする香り・・・・・

でも、この匂いはどっかで?・・・・・・・

そう思った瞬間、俺の胸はググッと急に痛みだす。


「く、苦しいぃ・・・・なんだ?」

俺は声をあげたくても、あまりの苦しさに声も出ない・・・・

甘い香りはまだ鼻に残っているっていうのに・・・・

「く・・・・苦しい・・・・・」





だッ





「え?」

目を開けたら、いつもの俺の部屋・・・・・
窓には、たなびくカーテンと青い空・・・・・・

でも、俺の体の上には・・・・・


・・・・・・何やってんだよっ」

この甘い香りはの髪の匂いだったのかよ・・・・・

「あーーーもう起きちゃったの?つまんなーーーいっ」

仰向けに寝ていた俺の体の上にのっかって寝っころがりながら、
俺の顔をのぞいているがいた。

「この状態で熟睡してられる奴なんかいるかよっ」

何かんがえてんだっ こいつは・・・・
だいたい、この状態はかなりやばいだろっ
男だぞ・・・俺は・・・・・・

「おりろ・・・・・」
「やーーーだーーーーーっ」
はおもしろがって、俺にしがみついている。

たのむから動くなよっ
あたってるんだって・・・お前の体・・・・・っ
反応しちまうっ・・・・・・

「重いっつうんだよっ とにかくおりろっ」
俺はとりあえず冷静さを装って、を睨む。

「だめッ だってシカマルの体の上ってあったかくて
  気持ちいいんだもんっ」

俺は別の意味で気持ちよくなりそうなんだよ・・・馬鹿・・・・

「苦しいっつうんだよっ お前さ、太ったんじゃねーのか・・・・」

わざと怒らすことを言う。

「言ったわねーーっ もう絶対どいてやんないっ」
は頬を膨らましている。

お前に怒る権利ねーだろ?
被害者は俺なんだからよっ

「んじゃ、落とすか・・・・・」
「いやーーーだめーーーっ」

俺は体をぐるんと半回転させた。

「きゃーーーっ」


ドスンッ


案の定、は俺にふるい落とされて、ベットの脇に尻餅をついた。


「シカマルの意地悪〜!!」
は涙目で尻をさすっている。

「自業自得だっつうの・・・ふつう寝てるやつの上に乗るかよ?」
「だって、シカマルの上って、なんか気持ちよさそうかなーーーって・・・・」

全然悪びれた様子もないから、余計に困る。
これで、俺が欲情してお前を襲ったら、俺は完全な悪者扱いだよな・・・・
天然で、誘ってるお前が怖い・・・・・

「あのなぁ・・・・・・俺は今、めちゃくちゃ気持ちいい夢見て寝て
 たんだっつうの・・・・お前のせいで最悪っ・・・・・」

はぁ・・・もう眠れねーしな・・・・
ベットに座って俺は溜息をついた。

「ごめん・・なさい・・・・」
「女がふつう男の体の上にのるかねぇ・・・・・」
やだやだ・・・天然てマジ怖えーーよ・・・・

「ちょっといたずらしてやろうかなーなんて思って・・・・」
はなんだか照れたように笑った。

「どんな・・・・」
冗談じゃねーよ・・・何されるか分かったもんじゃねー・・・・

「それは秘密vv」
何、顔赤くしてんだよ・・・馬鹿・・・・

「どうせマジックで顔に落書きしよーとか思ってたんだろ?」
はぁ・・・・お見通しなんだよ・・・・まったくガキだな・・は・・・

「違うもんっ」

おーーおーー またふくれっつらしてやがる・・・・
かわいい顔しやがって・・・・まったく・・・・

「んじゃ、なんだよ・・・・」

俺は頭をガリガリ掻く。

「シカマルの男度チェックを・・・・・・」




は?




なんか今、の口から予想外の言葉が出たような?・・・・

「なんだって?」
俺はの顔をジロッと見た。

「だから・・・シカマル男度チェックをする方法があるんだってば・・・・・」

は急に真っ赤な顔でもじもじしだす。

それはまたいのの差し金か?

はぁーーーーーーー
溜息も出るよな・・・・毎度のことながら、いのはにロクな事
言わねーんだよっ・・・あの馬鹿・・・・・

「どういうチェックだって?」
俺はの顔を見た。

「シカマルが私と体を密着させると、シカマルの体にある変化が
 起きるはずなのっ」



でぇ!!


ある変化って・・・お前、分かって言ってんのか?


「何、真っ赤になってんの?」
は眉間にシワを寄せて俺を見る。

「へ・へ・へ・へ・変化って?お前・・・何言いだすんだよっ」

いのの馬鹿っ 死ねっ 
絶対、をからかってやがんだなっ
ついでに俺のことも!!

「何が変化するのか知らないけど、いのが試してごらんって・・・・
 もし変化したら、シカマルは野獣に変わるよ!って・・・・・」

は俺の顔を細目で見た。




・・・・・・・・・・・・いの〜!!(怒)・・・・・・・・・・・・・・・・



いい加減にしろよっ・・・・あの馬鹿女!!・・・ゆるさねーーーっ


俺の頭には べーーっと舌を出して笑ういのの顔がありありと
浮かんできた・・・・・




「でも・・・・・シカマルの体はいつもと同じだったよ・・・・」

はなぜか残念そうに呟いた。

お前が無事だったのは、俺が必死で理性を保ってやったおかげだっつうの・・・
感謝しろっ・・・馬鹿・・・・・


「あたりめーだろ・・・・だれが野獣だ誰がっ!まったく、くだらねーな」

俺はまた頭をがりがりとかいた。

「つまんない・・・・・」
は はぁ とか溜息をついて俯いた。

「は?」

の以外な反応が俺を動揺させる。

なんだ?その残念そうな反応は・・・・・
もしかして・・・・俺・・・・・を襲ってよかったのか?
もしかして・・・・待ってたとか?・・・・・
ま、まさかな・・・・・・・

「なんだよ・・・その溜息は・・・・・・」
まさかと思いつつも、気になってしまう。
俺はジロリとを見る。

「なってほしかったなぁ・・・野獣に・・・・・・」


え?


まじで・・・・・・・・・そういう事されてお前平気だったわけ?
にしても、以外と大胆だな・・・って・・・・
以外だ・・・・


「やって・・・良かったのかよ・・・・・」
「良かったのに・・・・・・」
「ま、まじかよ・・・・・・」
ごくり・・・と喉が鳴る。

俺は今からでも、全然オッケーなんだけどよ・・・・・
なに?俺どうすりゃいいんだ?・・・・・
とりあえず、抱き締めとくか?・・・・・

・・・・・・」
俺はの腕を掴んで、俺の隣に座らせた。
ベットがが座った重みでギシッと音をたてる。

「なに? シカマル?」
の上目使いに俺は悩殺寸前だ・・・

「お、お前が望むなら・・・今からでも俺は出来んだけどよ・・・」

ゴクリ・・・・

俺の喉がまた鳴る。


やべーーー緊張すんな・・・・
やっぱ初めてだし・・・
好きな女を抱くとなると・・・もう止まんねーだろうなぁ・・・・

「途中で、やっぱりヤダとか無しだかんなっ・・・・・」
俺はの肩を握る。

「えぇ!!本当にしてくれるの?」

そんな驚いた顔すんなっつうの・・・・・
照れるだろ?
しかも、してくれるって・・・なぁ・・・・・さすがに照れるんですけど・・・・
そこまで待たせてたのか?俺は・・・・・・

「んじゃ、とりあえず・・・・・」
俺はをベットに押し倒す。

「きゃーーーっ なに?なにすんの?シカマル!!」

「え?何って・・・・座ったままがいいのか?」
俺は上から見下ろす形でを見る。

「だって・・・・寝る必要ってあるの?」
は驚いた顔をして、目をぱちくりさせている。

「ふつう・・・寝るだろ・・・・・・・・」

「ほ、本当?寝なきゃ出来ない?」
はなんだかオドオドしている。

え・・・・まぁ・・・・座ってても出きるけどよぉ・・・・


「んじゃ、座るか?」
「う・・・・・うん・・・・・・」

はゆっくりと起き上がった。

「早く・・・早くやって!」

はジーーーっと俺の顔を見る。

「早くやってって・・・・お前なぁ・・・・・・」
こっちが照れる・・・・
・・・積極的だなぁ・・・・・・・

「本当にやんぞっ いいなっ」
俺はの肩を両手で掴んで、顔を見る。

「もう、じれったいよぉ!早く見たいっ!」



え?・・・・・・

見たいって・・・何を?

お、お前・・・・まさか・・・俺の変化してるアレのこと?



「早く見せてよっ!」

「は、早くってなぁ・・・・・・・」

そのワクワクした子供のような純粋な目はやめろ・・・・
そんな綺麗な目で見るようなもんじゃねーから・・・・・
・・・・お前・・・・・そんなキャラだったっけか?・・・・・

「焦るなって・・・まずはこれからなっ・・・・」

俺はの肩を抱き寄せて、顎を持ち上げ、唇にキスした。
柔らかい感触・・・・・
時々してるけど・・・これから、初めてお前を抱く前のキスだと思うと
俺も緊張すんな・・・・

「ん!・・・ん・・ん・・・・・」
はなにやらもがいている。
仕方なく唇を離す。

「な、なんだよッ」

「キスしてなんて言ってないっ!!早く見せてよっ」

は足をバタバタさせている。

「いきなり見せられっか!ばか!俺だって恥ずかしいっつうんだよっ」

俺は真っ赤になる。

「そ、そんなにすごいの?」
は目をキラキラさせて俺を見る。

「すごいって・・・・いや・・ふ、ふつう?」
汗かいてきた・・・

「ねぇ・・・・そんなにもったいぶるぐらいすごいってこと?」

「いや・・・だから・・・ふつう・・・だろ?たぶん・・・・・」

「誰でもできるの?」

「できるって・・・な・・なにが・・・・・」

「だからーーーーっその変化の術のことよぉ!!」







「は?変化の・・・術・・・?」






「だってさ、野獣に変化すんでしょ?ところで野獣ってなに?怪獣みたいな
 もの?大きいの?火とか吹いたりできるわけ?」



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・





お、お前なぁ(怒)・・・・・



「誰が火なんか吹くか!この馬鹿!!」













「シカマル〜 何で急に怒るわけ?」
はちょっと心配そうな顔で俺の背中にひっついている。

知るかよ・・・・さんざん期待させやがって・・・・こんなこったろうと
思ったよ・・・いや・・・・途中までは思ってなかったけどよ・・・・
ふざけんなっ・・・・天然ボケ女・・・・・・

俺はベットに寝っころがって、壁を向いてふて寝した。

「変化できないなら、初めからそう言ってくれたら良かったのに・・・・
 無理しちゃってさ・・・・シカマル・・・・・」

野獣を怪獣だと思ってる馬鹿にそんなフォローされたくねーよ・・・・

「怪獣に変化できるやつがいたら、会ってみてーつうの・・・・」

けっ 壁に悪態をつく。

「だからね・・・私もすごいなーって・・・一度見てみたかったんだもん・・・
 いのがシカマルならきっとすぐになっちゃうよって・・・・・」

「何に・・・・」

「だから・・・怪獣・・・・・」

「野獣だろ・・・・」

「あっ ・・・そうか・・・・・・」

「馬鹿・・・死ねっ・・・・・・」

「ヒドイっ・・・・そこまで言わなくていいじゃないよぉ・・・・・」

はぁ・・・・
俺がこいつを抱ける日はくるのか?
まさか・・・結婚するまでできないとか?
いやまて、結婚したからって、できるとはかぎんねーぞ・・・・・
相手はだ・・・・どこまでも天然のこいつだもんな・・・・

こいつの天然にどこまで理性保てるか、もう俺には計算もできねーよ・・・



はぁ・・・・・・・・・



「シカマル・・・・・・」
「なんだよ・・・・・・」
「男の人は好きな女の子の体に触れると変化するって、いのが言ったよ・・・」
「あっそ・・・・・」
もう知るか・・・・

「シカマルはなんで変化しないの・・その・・野獣ってやつに・・・・・
 私のこと好きじゃないの?・・・・」

「・・・・・・・」
もう答えるのも、めんどくせーんだけど・・・・

「シカマルぅぅ・・・・・・」
が俺の体を揺さぶる。

「だーーーっもうやめろっ!」
俺は仰向けに、体を向けて、を睨む。

はもう一度、俺の体の上にのっかってきた。

「大好きだよシカマル」
「はいはい・・・・・」
「もうっ・・・・・・・」

目を閉じた俺にの顔が近づく気配・・・・・
俺の唇に柔らかいの唇が重なった。

お前のキスは、柔らかくて、何回やっても、少し震えてて、
かわいいんだよな・・・・

甘い髪の匂い・・・・・


俺はたまらずギュッとの体を抱き締める。

は恥ずかしかったのか、恐る恐る舌を入れてくる。
ほんのり甘い味。絡めた舌から伝わる熱。俺より小さな舌。

やべー なぁ・・・俺・・・・・



ゆっくりと唇が離れる。

「・・・・・・シカマル・・・・・・変化してるよ・・・・・」
は真っ赤な顔で俺を見下ろした。

「あぁ・・・まあな・・・・・好きだから、しょうがねーだろ・・・・・」
俺もきっと真っ赤だろうな・・・・

「・・・・野獣・・・・・・・・・」

「う、うるせーーーーっ」








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