ねぇ、もっとあたしを見て?
もっともっと好きって言って?


一日の始まり


「まだかなぁ。もうちょっとで出てくるはずなんだけど・・・」
「うぅ・・・さみぃ」

私とシカマルは日の出を見るため、シカマルの家の屋根の上にいる。
シカマルは嫌がっていたが、私が『お願い!』を連発するとしぶしぶ一緒に来てくれた。
いつも最終的にはシカマルが折れてくれる・・・・。
ホントは凄く優しいんだよね。
私はそんな彼が心底好き・・・・。

「ったく、何でこんな寒いとこにいなきゃいけないんだよ」

シカマルはブツブツと文句を言う。

「男なら自分の彼女の言う事きくのは当然でしょ?」
「オレは聞かされすぎなんだっつーの」
「はい?何か言いましたぁ?」
「・・・・・いえ、別に」

今日の日の出時刻は6時30分くらい。
今は6時20分。
最低でもあと10分はシカマルと一緒にいれる・・・。
シカマルは中忍になって、かなり任務が多くなり私が彼といられる時間はだいぶ減ってしまった。
マイナス思考に考えても悲しくなるだけなので、こんな風にプラス思考に考えるようにしてる。

「・・・シカマル」
「あ?何だよ」
「そんなに寒いの?」
「まぁな」

私は屋根に座ったまま、そっとシカマルに体をよせる。

「お、おい ////」
「へへっ。こうやってたら少しはマシでしょ?」
「・・・・ったく。めんどくせぇ女だなぁ、お前は」

そう言ってシカマルは顔を赤らめながらも、私の体を抱き寄せてくれた。
シカマル、とっても暖かい・・・・。
シカマルの体温を感じながら、私の胸の鼓動は高鳴る。
自分から体を寄せたっていうのに・・・・。

私とシカマルの目が合う。
なんだか照れくさいけど、私はその度に優しい気持ちになれる。
大好きよ、シカマル。
この気持ちに私は溺れてしまいそう・・・。

「なぁ、・・・」

シカマルは唐突に口を開いた。

「ん?どうかした?」
「・・・・・あの・・・・さ・・・・」

口をごもらせるシカマル。
・・・何か言いにくい事なの?

「・・・・何よ。早く言ってよ」

下を向いていたシカマルは、決心したように私の顔を見る。

「キス・・・・していいか・・・?」
「・・・・へ?」

予想外のシカマルの発言に、すぐには言葉が出てこなかった。
顔が一気に熱くなるのがわかった。
この冬の寒さの中、まさか湯気なんてでてないよね・・・・。

「やっぱ引くだろ・・・?だから言いにくかったんだよ・・・くそっ」
「・・・・・いいよ」

私、シカマルのこと好きだもん。
引くどころか嬉しいよ・・・・。

「そ、そうか?・・・・じゃ、じゃぁ」

シカマルは私の肩を持ち、私の目を見つめる。
どっちの目を見ればいいんだろう・・・・。
シカマルの目に映っている私。
あなたの目に私は今、どう映ってるの?

そのまましばらく見つめ合う。
そんなに見られると恥ずかしいよ・・。

「・・・おい、目ぇ瞑れよ。やりにくいだろぉが・・・」
「え?あ・・・ゴ、ゴメン」

私はそっと目を瞑った。
今、鼻の辺りを何かがかすめた・・・そう思った瞬間、シカマルの唇と私の唇が重なった。
シカマルの骨ばった手のひらが私の髪の間に入り、頭を支える。
ついビクッとしてしまう・・・。
シカマルは私の腰をグッと引き寄せる。
そして何度も何度もついばむように、角度をかえて口付けてくる。




ふいにシカマルは重ねていた唇を離した。

「・・・ワ、ワリィ。夢中になりすぎた。・・・あのまま続けてたらもっと激しいのになっちまってる。
 理性が保てるうちに止めとく・・・」
「う、うん。続きはまた今度ね。シカマルの家かどっかで・・・」
「・・・あぁ。ごちそーさん」

突然東の方角から光が射した。
日の出の時刻になったのだ。

私たちは、まだ柔らかな光に包まれながら寄り添った。
お互いほほを紅く染めながら・・・。

こんな幸せな時間がもっともっと、ずっとずっと続きますように。
いつまでも、あなたの隣にいるのが私でありますように・・・・。








戻る


55 STREET / 0574 W.S.R / STRAWBERRY7 / アレコレネット / モノショップ / ミツケルドット