シカマルは私の幼馴染
小さい頃からいつも一緒だった
そんなシカマルを男の子として大好きな私
けど当のシカマルはいつだって・・・・


嘘泣き





「シカマル〜おはよー!」
私はおもいっきり大きな声でシカマルの部屋のドアを
開けた。

「うっせーよ。バカ」

シカマルはベットに横になったまま、読みかけの本から
目をはずしてチラッとこちらを向いてそれだけ言うと
また本を読み初めた。

相変わらずそっけなくて冷たい態度・・・
でも、そんなのいつものこと。
でもさ、でもでも、もうちょっと嬉しそうな顔とかできないわけ?
まぁ いつも突然来る私も悪いけどさー・・・・
私はシカマルの本棚の下にしゃがみながら、

「ねー シカマル。どうした?とか、何で来た?とか聞かないの?」
というと、

「お前が来るのに理由なんかあんのかよ」

シカマルはフンッと鼻を鳴らして言う。

あららー痛いとこつくなー 確かに理由なんてありません。
ただシカマルと一緒にいたいだけだし・・・

シカマル!あんたはどうなのよ!と一度聞いてみたいけど・・
でもそんなこと絶対言えないから、私はシカマルをちょっと
ためしてみることにした。

「理由あるよ!私、今日はすごく落ち込んでるの。
 シカマル分かんないの?ひどいよ。」

うずくまって、俯いて、深刻な顔の演技をしてみた。
女って怖いよね。演技なんだけど、ちょっと涙とか潤んできたりして。

シカマルはしばらく無言でそんな私を見てた。
そして・・・・
「はぁ」
シカマルの溜息。

あーーやっぱりね 心配もしてくれないんだ。
私のことなんて、昔からめんどくさい奴とかしか思ってないんだなー。
私の胸はズキンと音をたてた。

なのにシカマルはベットからゆっくり起き上がって、
こっちに歩いてくる。

「お前が落ち込むなんて、めずらしいこともあんだな」

私の前にしゃがみこんだ。
私は何も答えなかった。
「んだよ。 めんどくせーやつ。  何があったんだよ。」
私の前にしゃがんでクシャッと頭を撫ぜてくれた。

え?え?何?
心配・・・してくれてるの?
私なんてどーでもいいんじゃないの?

私は嬉しさと嘘をついている自分への心苦しさで、
どうして良いのか分からず、しゃがんだ膝にギュッと顔を
おしつけて黙ってしまっていた。

それを見て、シカマルは私がかなりの悩みを抱えていて
話すのも辛いのかと思ったみたい・・・

「ったく 言えって。 聞いてやっからよ」

どーしよーどーしよー嘘なんて言えないよー
私の胸はさっきとは違った意味でドクンドクンと鳴った。


シカマルは足に私を挟む格好で、背中にグルッと手を回して、
座ったまま抱きしめてくれた。
「なーー こっち向けって」
シカマルのおでこが俯いた私の頭に当たってる・・・・

いやーーーそんなに優しくしないでぇぇぇ
良心の呵責に押し潰されそうよぉぉぉぉ!

私は俯いたまま、膝の間でこもってしまった声で言った。
「ごめん・・・嘘・・・」
「は?」
思い切って顔をあげると、目を見開いて、口をポカンとあけて
マヌケな顔したシカマルと目があった。

「だって、シカマル、私がいつ来てもそっけない態度だから、ちょっと
 は心配とかして欲しくて・・・・」
ひきつった顔でそう言うと、
シカマルの眉間にはみるみる深いシワが出来て・・・・・・

ガツッ

「いったーーーーい!」

思いっきりデコピンされた。

「お前 一回死ね バカ」 

私に思いっきり背中を向けて、ベットへともどっていってしまった。

「シカマルごめんね。 ごめんなさい」
私は本気で誤ったつもり。 でもシカマルは

「うるせー もうお前とは口きかねえ」
乱暴に本を手にとって、ごろんと私に背を向けてしまった

あーぁ 今度は本当に泣きそう・・・シカマルに嫌われちゃったよ・・・
おでこの痛みなんかより、もっともっと悲しいよ。
嫌だな こんなの 涙が出てくるよ。

「ひっく・・・ひっく」
私の情けない泣き声が静まり返った部屋に響いた。

「デコピンぐらいでマジ泣きすんな!バカ

シカマルはまだブスッとしたままの顔を向けて言った。

「違うもん シカマルに・・・嫌われちゃったし・・・うぅ」
涙がどんどん出てくる。

「それも演技なのかよ?」

シカマルの冷たい声。

「演技じゃないもん シカマルのバカ!」 

「はぁ?この状況で俺にバカとか言える立場かよお前!バカは
 お前だっつうの 死ねバカ

「シカマルが悪いんだからね!バカバカバカマル!!」

そうよ!私がこんなに好きなのに、シカマルは私のことなんか
全然思ってもくれないからよ!

私は完全に八つ当たり・・・でもとまんない。

「シカマルなんて大ッ嫌い」

「あーーもーーマジむかついたぜ!お前帰れ!」

シカマルは身体をおこして、持っていた本でベットをボコっと
たたいて言った。

本気で怒ってるんだ。

「嫌! 絶対帰らない!」
だってこのまま帰ったら、もう仲直りできない気がする。

「ふえーーーん」
私の泣き方は、まるでだだっこの子供みたい。

「なんだ?人のことバカだの大ッ嫌いだの言いやがって。
 お前、俺と一緒にいたくねーんだろ?だったら帰れっつうの」

「違う!違うよ!一緒にいたいの!」

シカマルは腕組して、眉をしかめて、
「お前わけわかんねー」
と言った。

「私が嫌いって言ったのは、シカマルが私のこと嫌いだから」
そのうちしゃくりあげるように泣いてしまった。

「んなこと言ってねえだろ・・・」

「私もう・・ぅぅ シカマルに嫌われて・・・そばに・・ぅぅ・・いられ
ないから・・・」
私は子供みたいに泣いてしまった。

「だから誰が嫌いって言ったんだよ」
シカマルは罰が悪そうに、頭を掻いている。
 なんでそんな泣くんだよ 泣くなって」

なんで?ってなんでわかんないの私の気持ち!!!

「私 シカマル大好きだもん 嫌われたくないもん」

あまりに感情が高ぶって、おもいっきり告白してしまった。
しかもあんなことした後で、シカマルに嫌われた後で・・・
私って本当に一回死んだ方がいいかも・・・・

一瞬の間があってから、シカマルは顔を真っ赤にして言った。

「ば、ばか  お前何言ってんだ?
 落ち着けよ!?お前自分が何いってっか分かってっか?
 デコピン強すぎて、ちょっとおかしくなってない?お前」

なによーーもぉーーーシカマルの鈍感!

「分かってるわよ 私はシカマルが好きなの!ずっと前から
 シカマルが大好き!だからずっと私と一緒にいてよ!」

言っちゃった・・・・・
シカマルの顔が見れない・・・断られたら、本当にもうシカマル
とこんな風には会えなくなっちゃうよね・・・

ベットがギシッと音をたてた
シカマルがこっちにくる・・・

私は思わず気持ちを言ってしまった後悔と、シカマルが言うで
あろう次の言葉への不安でまた涙がどんどん流れてくる。

「また嘘・・・・とか言わねえよな・・・」
シカマルは私の前に立ち、静かな声で言った。
私はシカマルの顔を見ないまま、コクンとうなずいた。

「今更 冗談とか言ったら、マジ俺へこむかんな」
私は再びコクンとうなずいた。

「んじゃ もう泣くな 

シカマルの手が私の肩に置かれた。
私はシカマルの顔を見上げた。
シカマルの右手が私の前髪を優しくかきあげる。
そして・・・・・

デコピンされて赤くなったおでこにそっとキスされた。

「仕方ねえからずっとそばに・・一緒にいてやる だから泣くなって」
「うん」
私もシカマルも顔が真っ赤。

どきどきと鼓動が早くなる。
嬉しい けど、なんて言ったらいいか分かんないよ。
急にオドオドした私を見て、シカマルは
「ばーーーか」
と言い、そのまま私の腰を引き寄せて、抱きしめた。
シカマルの胸に顔をうずめたら、なんかホッとした。

私とシカマルはしばらく何も言わず、抱き合ってて・・・

シカマルの心臓の音が私の耳に響いてる。
心なしか、鼓動が早く感じるのは私の気のせい?

しばらくしたらシカマルが腕をゆるめて私の顔をのぞきこんで一言。

のデコ・・・すげぇ真っ赤・・・笑える」

それはシカマルの照れ隠し。
けど私だって思いっきり恥ずかしいんだからね。

「シカマルのデコも同じにしてあげよっか?私達
 ずっと一緒なんだもんね?痛みも一緒でしょ?」
私はニマッと笑ってみせる。

「愛してるよ!シカマル〜」
私は自分の中指を親指できつく押さえて、シカマルのおでこに
近づけた。

「あーー 俺もマジ好きだ 
シカマルは私の手首を掴んで、必死に抵抗。

「さっき私を泣かせたお返しだかんね!」
「あ?バカ さっきのはお前が悪いっての!」

二人でドタバタ!勝負はなかなかつかなくて、
けどなんか本気で笑えて、シカマルも私もぎゃははは笑い
ながら格闘が続いた。





「痛ってー。  お前マジでやったろ」
数十分後、私と同じ、真っ赤なデコをおさえながら、シカマル
は涙目で言った。

「あったり前よーー 私だって本気で痛かったんだからね!
 私のかわいい顔が台無しよ!」
私はわざと頬をプクッと膨らませて、大げさに言う。

「へいへい。 そりゃ悪かったな」
シカマルはまだ自分のおでこをさすってる。
そんなシカマルがなんかかわいくて・・・

「でも・・・今日はごめんね。 だから・・・お詫びのしるし」
今度は私から、シカマルに抱きついた。
「うわっ ばか 
シカマルがバランスを崩して、私を抱きしめたまま、床に
しりもちをついた。
「お前な〜」

だめー それ以上は文句言わせないからね!
私はすかさずシカマルのおでこにキスをした。
ぷぷぷ。
ほらね、シカマルは真っ赤になって黙っちゃってる。
そんなシカマルが大好きだよ!



シカマルと私はまだまだ恋愛には程遠い、子供みたいな関係。
けど今日から私達はもうただの幼馴染じゃないよ。
ね?シカマル・・・・
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