ってマジかわいいなぁ・・・・・」
キバはトロンとした目線で肘をついたまま、隣のを見つめている。

「シカマルなんか辞めて、俺と付き合えよ!なぁ・・・・・」
キバの大きな手がの肩を抱いた。

「やだよぉ、もう!キバ辞めて〜」
は真っ赤な顔で同じくトロンとした目をしながらも、
キバの手を払いのけようと必死だ。

「やめろってば、キバ!は俺と付き合うって言ってんだろっ」
の逆隣でナルトがキバの手を払い、今度は反対の肩を抱く。
ナルトの顔も真っ赤だ。


「お前ら、いい加減にしておけ・・・・」

「そうだよっ はシカマルのものなんだからねっ そういう事
 してると、シカマル、キレるよ・・・」

「ッたく このウスラトンカチどもが・・・・」

隣のテーブルにはシノとチョウジとサスケがあきれ顔でビールを
飲んでいた。

「うるせーぞ。外野は黙ってろっ」
キバはけっと2人を睨み返した。

「そうそう。だいたいシカマルの奴、こんなかわいい彼女ほっといて
 全然来ねーのが悪ぃの。」

ナルトは、「な?〜」とか言って、の顔を覗きこんでいる。

「キバもナルトも飲み過ぎだよぉ。もうっ」

はまたグラスの中身を飲み干す。

「お!いいねぇ。は酔うとまた色っぽいぜ・・・」
キバはニシシと笑った。

、キバは危ねーからもっと俺の側にこいってばよ!なっ!」
今度はナルトがの腰を抱き寄せた。

「いい加減にしろっ お前ら。 が嫌がってる。」
とうとう、見るにみかねて、サスケがの目の前に座って、
ナルトとキバを睨んだ。

「おぅおぅ。さすが優等生のサスケちゃんは言う事が違げーよな。
 お前だって、を狙ってるくせによぉ」
キバは不機嫌そうに、自分のジョッキのビールを飲み干した。

「そうだってばよッ 一人でいい子ぶりやがって!このスケベ!」

「お前ら・・・・死にたいのか?」

ナルトとキバにおちょくられて、サスケも本気でキレ気味だ。


「3人とも辞めてよぉ!もうっケンカするなら、私、帰る!」


『まぁまぁまぁ・・・・・』

3人に体を押さえられ、はストンとまた席に座らされた。




「だいたいさ、キバにはヒナタいるし、ナルトはサクラが好きな
 くせに、私に変なこと言わないでよね!」


は頬を膨らませている。


「バーーカ。お前がシカマルと付き合ってねーんだったら、お前狙って
 たっつんだよっ」

「俺も俺も!」

「ったく・・・・」

「そういうサスケ、お前もじゃねーのか?」
キバとナルトにジロッと睨まれて、サスケは珍しく黙ったままだ。

3人に囲まれて、なんだか落ち着かない様子の


それを察してか、キバはの顔を真顔で見て言った。

「ところでよぉ・・・・とシカマルってどこまでいってんの?」

「へ?」
自分のグラスを手に半分目のとじかけたは、キバの質問に
一瞬動きを止めた。


ゴクリ。

3人が唾を飲み込む音が響く。

「どこまでって・・・・・・・」
急に、キバ、ナルト、サスケの顔は真顔になり、をジッと見つめて
無言になっている。


「シカマルと私は・・・・・」

『うん。うん。』



いつの間にか隣のテーブルのシノとチョウジもの次の言葉を
待つかのように、ジッとを見つめている。






ガラガラガラ〜ッ





「悪ぃな・・・遅れちまって・・・・・・」


突然、を囲んだ机の周りに声が響く。



を除いた他の男達はその声にビクッと反応し、
そして固まった。


「あ!シカマルぅ〜」

が振り返ると、眉間にシワを寄せて、シカマルが
見つめていた。


「お前、何、飲んでんだよっ 飲み過ぎだろ?」

シカマルはからグラスを奪うと、の前の席にドカッと
座った。


真ん中に、両端にナルトとキバ。目の前にシカマルとサスケ
という並びになった。




「今ね、キバ達が私とシカマルが・・・・」

そこまで言いかけると、

「いいからっいいからっ シカマル!お前も飲めよっ なっ」

キバに言葉を遮らた。

「あっそ・・・んじゃ、俺ビール。ナルト、注文してくれっ」

シカマルははぁと溜息をついた。

「シカマルぅ。任務、今終わったの?ケガしてない?」
真っ赤な顔で少し心配そうに目の前のシカマルの顔を見つめる

「あ?まあな。・・・」
シカマルはチラッとを見て、そっけなく答えると、メニューを
見始めた。

「これだから・・・シカマルなんかやめちまえっつうんだよっ」
キバがとっさに言う。

「そうだってばよっ こんなにかわいい彼女がお前なんかのこと心配
してくれてるってのによぉ。お前、冷てーぞシカマル!」

ナルトはシカマルの顔の前に指をつきつけた。

「は?なんだよ?お前ら・・・・・」

急に2人から責められて、眉間にシワを寄せながらシカマルは不服そう
に答える。


「そんなことしてっと、俺がを奪っちまうからなっ」

「何言ってんだってばよっ 俺だっつうの!」


を挟んで、また2人は言い合いをはじめた。

「さっきから、を奪うのに必死だぞ・・・このバカどもは・・・」
サスケが溜息をつく。

シカマルはメニューからゆっくり顔をあげて

「へぇ・・・・・そりゃご苦労なこって・・・・・」
とそっけなく答えた。


「な、なんだよっその余裕の顔はよっ!」
「そうだってばよっ な、なんかムカつく!」

『やめちまえっ !シカマルといてもお前は幸せになれねーよ』
『バカ!キバといても同じだっつんだよっ 俺とだ俺と!な?!』

2人がに抱きついたとたん・・・・・・



『れ?』


体がビクンと動きを止めた。


シカマルはしらっとした顔でメニューを見続けている。


「ほうらね・・・言わんこっちゃない・・・・・」
チョウジは串焼きを一気に口に入れた。

「バカ・・・・・」
シノも呆れた顔でビールを飲んだ。




『体が動かねーぞっ』

焦る2人。

「シカマル!てめー!」
「いきなり影真似とは卑怯だってばよっ」



シカマルはジロリと2人の顔を見てから、ニヤリと笑う。





次の瞬間、2人の首に黒い手がズルズルと這ってきた。


『シカマル〜 ごめんなさい』


ナルトとキバが同時に言った途端、2人の体はふわっと軽くなった。


だーーーーーーーーーーーぁ・・・・・


ナルトとキバは机にうつぷして、溜息をついた。


その様子に、は一人、クスクスと楽しそうに笑っていた。



「あーーーぁ。やっぱダメかぁ・・・・」
・・・やっぱシカマルがいいのかよぉ」

キバとナルトの力ない声

「うん。シカマルじゃなきゃダメ」
はとても優しく笑った。

その笑顔に、ナルトとキバは口をポカンとあけて、みとれ、
目の前のサスケまで真っ赤な顔になり、隣の席のシノやチョウジまで
体が固まってしまった。


すげーーーーー かわいい・・・・・・・・・




「バカじゃねーの。お前。」
そんな中、シカマルだけは、フンッと鼻をならして、目の前に置き去りにされた
焼き鳥をバクッと食べている。



(こいつ・・・・マジでアホだ・・・・つうか鈍感つうか・・・この幸せ者がぁ・・・・死んでしまえっ)

他の男達はそんなシカマルを見て溜息を漏らした。








「ここまで見せつけられたらよぉ やっぱ答えてもらわねーとな」
キバは机を叩く

「何をだよっ」
シカマルはすごく嫌な顔をした。

「だからーーーー!お前とがどこまでの関係かって事に決まって
 んだろーがよ!」
ナルトも机を叩いた。

「けっ くだらねー・・・」
シカマルはしらんぷりだ。

「なぁ・・・?」
キバがの顔を覗き込む。

「なあに?」
は真っ赤な顔でジッとキバを見つめる。
程よく酔っているせいか目の焦点がいまいち合っていない。

・・・・答えることねーぞ。そいつらみんなアホだからな・・・・」
シカマルがビールのジョッキを手にしながら言う。


『黙ってろ!』

なぜか全員に言われて、驚くシカマル。


「どこまでって?どう言えばいいか分からないし・・・・・」

はドモリながら恥ずかしそうに俯いた。

「じれってーな。手ぇ握ったとか、キスしたとかよーー」

「そうそう。お前らがしてる事で、こう、なんつーか。普通しないような
 特別な事だってばよっ」

キバとナルトに責められて、はうーーーんと少し唸る。




「あっ!一緒にお風呂入ったことあるよね!シカマル」










ぶーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっつ






ビールを飲んでいた男達、全員が口から水しぶきのようにビールを
吐いた。


はキョトンとしている。



「バ!バカ!」
シカマルは勢いよく机から立ち上がり、目の前のの口をふさいだ。




      『お・・お・・・お・・・・お風呂ーーーーーーー!!』



あまりの過激な発言に男達一同はイスに倒れこんだ。


「シカマル・・・・お前・・・そりゃ・・ねーだろ・・・・」
キバは脱力しきって、言葉をつまらせた。

「俺達、まだ・・そういうことしちゃ・・いけねーんじゃねーの・・・・」
ナルトも目を丸くしてシカマルを見ている。

「・・・・・・シカマル・・・・・・僕・・・ショックだよ・・・・」
チョウジは口から枝豆をボロッと落とした。

シノとサスケは真っ赤な顔で呆然として黙っている。



「違う、ちが・・・違うって!」
シカマルはの口を抑えたまま、必死で弁解している。

「だからそれは、すげーガキの頃の話しで・・・俺達、幼馴染ってやつだろ?
 んで、一緒に風呂も入ったことあるなーってその・・・あれだ・・・・」



『弁解するほど、おかしいぞ・・・・シカマル・・・・・』

みんなの目線が怖かった。





「いや、マジ・・・・誤解だ・・・これは・・・・・・・」
シカマルは今まで見せたことのないような慌てようだ・・・・・

は急に口にあてられたシカマルの手をどかせて、言った。

「うん。あのね、私とシカマルが3歳ぐらいの時の話しだよ」

は事の重要さを全然理解できていないのか、屈託のない笑顔で
そう言った。




しかし、もはや誰も聞いていなかった。



「遅せーよ・・・・バカ・・・・・・」

シカマルは真っ赤な顔で眉間にシワを作って、溜息をついた。


「え?だってぇ・・・・ごめんね。シカマルぅ・・・・」
は涙目でシカマルを見上げる。

「こいつら・・・・壊れてるぞ・・・どーすんだよっ」
シカマルは、はぁと溜息を漏らしながら、を見た。


「みんなーーー誤解だよぉ・・・・・・・」

の泣きそうな声に男達がやっと反応した。


「だよな?まさか、お前らそこまでいってねーんだろ?」
・・・・紛らわしいこと言うなってばよ・・・・・」
キバとナルトはようやく正気に戻ったようだ。

「もう! 相変わらずは天然だね」
チョウジはニコッと笑った。

「と、とにかく飲みなおしだなっ」


『おお!』


サスケの提案で再び飲み会が再開した。








「んじゃ、またな! 、シカマルに飽きたら、俺のとこ来いよ!
 シカマル・・お前は死んどけっ」
キバが笑って言う。

「お前が死ねっ バカ・・・」
シカマルも腕を組みながら、へっと笑った。

「キバには負けねーぞ!、俺はいつでも準備オーケーだってばよっ
 シカマル・・・油断してんなよっ」
ナルトがニシシと笑って手を振った。

「お前相変わらずイケテねーしな・・・・そっちこそ油断して死ぬなよ」
シカマルは溜息をついてみせる。

・・・あの2人には気をつけろよ。 シカマル、しっかり守れよ」
サスケが手をあげた。

「はいはい。ご忠告ありがとよ・・・・」
シカマルも手を軽く振った。

「明日また会おうね!シカマル!!」
チョウジが両手を振る。


「んじゃーなっ 」
シカマルがめんどくさそうに右手をあげた。

「みんなバイバイ!」
が手を振る。

「シカマル・・・・・・」

「ん?」
後ろを振り向くと、シノが立っていた。

シノはシカマルの耳元にそっと何か言う

「分かってるって・・・・・」
シカマルはニヤリと笑った。

・・・シカマルと仲良くな」
シノはの頭にポンッと手をのせた。

「うん」
が笑いかける顔を見ると、シノはそっと去っていった。










帰り道、シカマルとはなんとなく家に帰りずらく、
近くの公園のベンチで話しをしていた。


「お前さーーー。もちっと言葉選べよ・・・・・」
シカマルはチラッと隣のを見た。

「だってさ・・・・ナルトがふつうしないことで特別なことって言うから・・・
 とっさに思い出しちゃったんだもんっ・・・・でも・・ごめんなさい。」

は俯いて反省している様子だ。

「ったく・・・・お前は・・・・・」
シカマルは頭をガリガリと掻いた。


「シカマルぅ・・・・怒ってる?」
は心配そうに、涙目でシカマルを見つめる。


「あぁ?」

シカマルはそんなの顔を見て、少し困った顔をした。

「つうか・・・お前・・・天然すぎ・・・・」
の頭をコツンとたたく。

「うん・・・・・ごめんね・・・・・」

「まぁ・・・酔ってたから仕方ねーけどよ・・・・」

シカマルは今度は優しくの頭をなでた。

の顔は酔っているのとは別に赤くなった。



「なぁ・・・・」

「うん。なに?」

シカマルの右手がの肩にまわされ、左手が頬に触れる。


暗い公園でシカマルはにキスをする。
舌をからませて、少し激しいキスには戸惑った。


「ん・・・シカマルぅ・・・・こんなとこで・・誰かに見られちゃうよぉ」

「知らねーよ・・・・・」


シカマルは離れた唇をまたに押し当てる。
体をギュッと抱き寄せられて、は身動きがとれなかった。

「ん・・・・・・・んん・・・・・」
苦しくて、シカマルの胸をおして、やっと離れる。




「もう・・・・シカマルのばかぁ・・・・」

「お前が悪いんだろっ あんなこと言うから・・・・」

「だって・・・・・」

「マジであいつらに信じられそうになったんだぞっ」

「そ・・・だよね・・・・」

「んじゃ、お詫びの気持ちを態度で表してもらおーか?」
シカマルが意地悪い顔で笑った。

「え?」


「都合良く、親父もお袋も今夜は任務でいねーんだよなー・・・」

シカマルはふふんと笑うとの顔を覗きこんだ。

「シカマル・・・・」




「つうわけで、今日は帰さねーからな・・・朝まで寝かさねーし。」





「え?だって明日は任務・・・」

「関係ねーよ・・・そんなの・・・・」
シカマルがふんっと笑った。





「えっと・・・それじゃ・・・また入るの?一緒に・・・お風呂」



「あたりめーだろ・・・・・つうか入らないでやっていいのかよ?」
「だ・・・ダメ・・・」

の顔が真っ赤になる。


「3歳のときだけじゃねー。今もだもんな?
真っ赤な顔で俯くを見て、シカマルはくくくと笑った。

「あいつらにバレてたら、俺殺されてたかもなっ」

「もう!シカマルのバカーーー!!」

本気で照れるがかわいくて、シカマルはまた笑った。


「んじゃ、そろそろ行くかっ お前抱きに」

「怒るよ!本当にもうっ!」
は真っ赤な顔でポカポカとシカマルの胸を叩く。

「はいはい。別にいいじゃねーの。本当のことなんだからよっ」
シカマルは笑って立ち上がった。

「そんなこと言ってると、また誰かにバレそうになっちゃうからねっ!」

「あーーーそりゃまずいな・・・あっ・・・でももうバレてるか・・・」

「え?何?」

「なんでもねー なんでもねー」

シカマルはの頭を撫でて、

「ほらっ 早く帰るぞ」

シカマルはへと手を伸ばす。
はその手にしがみついた。


「あんま、ひっつくなっつうの。歩きずれーだろっ」

「はーーーい」

のかわいい笑顔。

「ったくよー」
シカマルはテレ隠しでそっと溜息をつく。








シノに言われたことは、には内緒にしとくか・・・・・・
言うとまためんどくせーしな・・・・


そう・・・シノにはバレてたんだ・・・
帰り際に言われた言葉・・・・・




(シカマル・・・・避妊だけはしっかりな。それは男の義務だぞ)

(分かってるって・・・・・・・・)


シノ・・・俺は遊びでと付き合ってるつもりはねーよ・・・
だから、こいつを傷つけることだけは絶対しねー。




「なあに?シカマル?」

「別に・・何も?」

「変なの・・・・ ねぇ早く帰ろっ」
がシカマルの腕を持って、ぶんぶんと振る。

「あ?お前、やらしー」
シカマルはまた意地悪な顔でを見た。

「なにそれっ もう!知らないっ」

「嘘、嘘、冗談だよっ 待てって!」


ぷいっと顔をそらして先を行くをシカマルが追いかける。
そして、2人で手を繋いで、暗闇の道をシカマルの家へと帰っていく。

心なしか、2人の足取りはいつもより少しだけ速い。

(早く早く・・・)

はやる気持ちを握った手の強さで感じながら、お互いに顔を見合わせて笑った。

空には満点の星。

もうすぐ2人、一緒になれる!
 
心も体もすべてで愛し合いたい。すべてで繋がり合いたい。


それは本当の愛だから・・・


だから、だから、早く早く!





急いで・・・2人で帰ろう!







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