「そんでさ、そんでさ、雪の国ってスゲーとこだったんだぜっ」

ナルトは椅子に反対向きにまたいで座り、背もたれを抱きながら、得意気な顔で
話しをしてくれた。

「ふうん。そうなんだ。すごいねナルト。」

私は笑っていたけど、本当はすごく嫌だった。
私の知らないナルト。
私の知らない国で、知らない誰かを命懸けで守って・・・・きっとあなたは
最後に温かい心をプレゼントしたんでしょ?


それは大事な任務で。
だから、ナルトが必死だったのも分かってる。
でも、あなたはいつも人に大事な何かを与えてくれる人だから・・・・

それはとても自然に、とても優しく、ときにはとても強く・・・
だから・・・
そんなナルトだから・・・

知らず知らずにあなたはみんなに愛されていく。

私以外の誰かにそんなあなたを取られてしまいそうで、すごく不安なのに。
いつだってあなたを独り占めしたいのに・・・・

ナルトは嬉しそうに笑いながら、身振りてぶりを大袈裟にしながら、
目の前の私に、楽しそうに任務の話しをしていた。



青い綺麗な瞳を嬉しそうに細めて笑う・・・・


ナルトの笑顔はすごく綺麗だなって思う。
キラキラと輝く太陽のように・・・でもそれは決して熱くもなく寒くもなく、いつだって
心地よい温かさ。


その笑顔がまた私の胸を締め付ける。


今度は誰にその笑顔を見せてきたの?


「ナルトの・・・バカ」

「え?何だってばよ?」

ナルトには聞こえなかったみたい・・・・
でも、私は、ふいに小声で呟いてしまった自分自身に驚いて、
ベットに座ったまま、足をぶらぶらさせて下を向いてしまった。

「なぁ・・・? さっきから、お前どうしたんだ?」

ナルトがゆっくりと椅子から立ち上がって、こっちに歩いてくる。
ナルトの影が私に近づいて、心臓がドキドキしてきた。


ナルトはゆっくりと私の隣へ座った。


ギシッ・・・


ベットの軋む音。


こんな身勝手な想いをナルトに知られてしまったら、ナルトに呆れられちゃうかな?
ふとそんな事を想うと、私は不安になって・・・



だから、私は嘘つきな笑顔を作った。



「なんでもない。それより今度はどんな人を守る任務だったの?」

私はなるべく普通を装って、ナルトの顔を覗き込む。

本当は聞きたくなんか無いっ・・・・



「あぁ・・・俺が守ってきたのは・・・雪の国の姫だったんだっ」

「姫・・・・・」

心臓がドキッとした。

「素敵な・・・・人だった?」

高鳴る胸の鼓動を抑えながら、私はナルトの目がまっすぐに見れなくなって、顔を反らした。

「いいやっ全然。 それがさー わがままで、生意気で、全てを諦めちまってるような
 氷みてーに冷たい女だったんだ。」

「そう・・・・」

私の心臓はまだドキドキしている。
その先は・・・なんとなく聞きたくない気がした。

「でも・・・・最後、笑ってたな。すげー綺麗な顔でさっ」

ナルトは優しく微笑んだ。



あぁ・・・やっぱり・・・・


私は、たまらなくて、自分の手のひらをギュッと握って目をつぶった。




そんな顔しないでっ・・・・
ナルトが他の女の人に優しく笑いかける顔なんて見たくないよっ・・・・

きっと彼女はそんなナルトを一生忘れずに生きていく。
心のどこかでいつも思い出しながら・・・


あなたは知らないうちに、必ず誰かの記憶の中に入り込んで、その誰かを守ってしまう。
そして永遠に刻み付けてしまう・・・あなたという存在を・・・・



すごく悔しくて、悲しい気持ち。
これは私の汚い嫉妬心だって分かってる。
だけど、どうしても、ナルトが遠くにいってしまうみたいで、置いていかれてしまう
みたいで、私、辛いんだよ・・・・



「ど、どうしたんだってばよ??なぁっ・・・」

ナルトは私の肩を抱き寄せて、顔を覗かれた。

「だって・・・」

言葉が詰まる。

「なんだよ・・・」

ナルトは眉をしかめた。

「だって・・・ナルトが・・・どんどん遠くにいっちゃうから・・・・」

「は? 俺、さっきからずっとここにいるじゃねーかっ」

ナルトは不思議なものを見るような目で私の顔を見た。

「違うよっ ナルトはいつだって私の知らない先で誰かを守って、それで・・・それで・・・
 絶対その人の心を奪っちゃうんだから・・・」

ナルトは何も言わずに、ただ驚いたって顔をして、私の顔を見つめていた。

「すぐに誰かに好きになられちゃうんだから・・・・」

私はボソッと呟いた。。
自分の子供じみた感情がすごく醜く感じて、それをナルトに言った自分が惨めで、
なんだか悔しくて、涙が目に溜まった。

ナルトは はっ と笑った。


「笑わないでよっ 私はね・・・」


涙がこぼれそうになるのを必死で耐えた。
ナルトはそのまま何も言わずに、そんな私のことを青い瞳でジッと見つめていた。
そしたら私はなんだか急に恥ずかしくなってきて、黙ってしまった。

その綺麗な青い瞳が私だけをはっきりとうつしているから。
まるで、私を捕らえるように、私だけをうつしているから。


その瞳を見るだけで、私の心臓はドキドキとうるさくなるの。


でも・・・


「それで?・・・・・・それで・・・なに?」

ナルトの大きな手のひらが私の顔に近づいて、右手の親指が私の唇をそっとなぞる。
ドキドキして見上げる私に、ナルトはすごく穏やかな優しい目をして、私の言葉の
続きをせかした。


「私は・・ナルトに・・・私だけを見てて・・欲しいか・・ら・・・」


必死で言葉にした。
恥ずかしい気持ちと、情けない気持ち・・・複雑な想いを必死でこらえた。
なのに、ナルトは くくっ と小さく笑った。

「笑わないで!!」

真っ赤な顔で怒るわたしに

「悪ぃ。だってよっ・・・以外だったから・・・」

「え?」

「案外・・・欲張りなんだなっ は・・・」

「だって・・・」

やっぱりナルトに呆れられちゃったんだ・・・・・
涙がこばれた私をナルトがふわりと優しく抱き寄せた。

「悪くねーっ」

ナルトがふいに呟いた。

「え?・・・・」

ナルトの腕の中でそっとナルトを見上げたら、ナルトの指が私の涙を優しくぬぐってくれた。
あったかい指の感触にゾクゾクする。

ナルトはそっと私の耳に口を近づけて、囁いた。

「いや、が俺に妬いてくれるってのがさ・・・」

「ナルト//////」


そしたら、ナルトはニシシと笑って、私の顎にそっと触れて、ゆっくりと優しくキスしてくれた。
あったかくて柔らかくて安心するナルトのキス。

・・・これで少しは落ち着いたか?」

ナルトの優しい瞳。

「ナルト・・・好き」

私はナルトの胸にしがみつく。

「んーーーーーー。それ反則っ/////」

「え?なに?」

答えを聞く間もなく、ナルトは私の腰に手をまわして、そのままベットに押し倒された。

「ナルト//////」

私は真っ赤になってナルトを見上げる。
私の上にいるナルトは真剣な顔をしていた。

「俺だって・・・のこと、すげー好きだってばっ」

ナルトはもう一度私に ちゅっ とキスをした。

鼻先がくっつく距離でナルトは恥ずかしそうに ニシシ と笑う。

そしてギュッと抱きしめられる。
背中に腕をまわされて、まるで巻きつくみたいに体中を覆うように抱かれる。
ベットがまたギシッと音をたてた。

「安心しろよ、。 俺にはお前だけが特別なんだってっ・・・・」

優しい言葉が耳元で囁かれたら、私はもっともっとナルトが好きになっちゃうよ。

「ナルト、ナルト・・・大好き。大好きだよ/////」

「バーカ////もう分かったって。」

ナルトがまた私を抱きしめる腕に力を込めた。
すっごく力が強いから、ナルトの服の前にあるジッパーが胸にあたって痛い。

「痛い。」

「あぁ・・・ごめんっ」

ナルトはとっさに私から体を離して、ジジジとジッパーをおろして、上着を脱いだ。
バサッと音をたてて、ベット下にナルトのオレンジの上着が落とされた。




私の体の上には、シャツの上からでも分かるぐらい、程よく筋肉がついた、がっしりした体を
したナルトがいる。




小さくて、がむしゃらで、いたずら好きで、やんちゃだったナルト。
でも、今、私の目の前にいるナルトは、少しだけ歳を重ねて、少しだけ大人に近づいて、
そして、背竹もずっと伸びて・・・そんなナルトの体はいつの間にか男の人になっていた。



私はそんなナルトを見上げながら、ドキドキしていた。



いつも見ているナルトの体を明るい部屋でこんなにじっくりと見つめた事は無かったから。


「なんだってばよ?」

ナルトは顔の赤い私を不思議そうに見下ろした。

「な、なんでもないよ//////」

・・・んじゃ、もっかい抱いていい?」

すっごく恥ずかしいのに・・・でも、
そんな真剣な目で言われたら、やっぱり断れない。

「うん////」


ナルトの腕がベットの上で私をやんわりと優しく抱き抱える。
金色の髪が私の頬をかすめて、蛍光灯の光がナルトの髪をキラキラと輝かせた。

綺麗・・・・

私はナルトの広い背中に腕をまわして、抱きついた。


「やっぱこうしてんのが一番落ち着くってばよ・・・」

「うん。私も・・・ナルトとこうしてるのが一番好き。」


いつもそう。
夜はなんだか寂しくて、そしたら自然にナルトの腕が伸びてきて、
ナルトは私を抱きしめる。
そしたら私もナルトを抱きしめる。

だって、そしたら聞こえるでしょ?
ドクドクドクって命の音が。
そして重なるの。大切なあなたと私の命が。


そしたら私達はまるで一つの生き物みたいに、まるで初めから一つだったみたいに
同じ体で同じ呼吸を繰り返す。

それは、とても幸せな気持ち。


・・・」


切なく愛しいナルトの声が私の体にも響いて。
まるでそれは私の体から出た声みたい。

やっぱり私たち一つの生き物みたい。












「お前さ、もっと自分に自信もてってばっ 残してく俺の方が心配で眠れねぇんだから」

ふいに囁かれたナルトの以外な言葉。

「え?」

「俺が任務でいねーあいだに、が他の男に取られちまうんじゃないかってさ・・・
 俺だって心配なんだってばよっ・・・」

目の前でナルトの瞳が優しく細められて、へへへ と照れたように笑った。

「ナルト・・・」

同じ不安をあなたも抱いて、任務に行っていることを初めて知った。


「俺だって、に俺だけを見させておきてぇんだ////」

ナルトは少し恥ずかしそうに呟いた。



くすっ////
なんだか笑っちゃう。



「ナルトって・・・以外と欲張りなんだね?」

と同じだろ?/////」

「へんなの////」


私達やっぱり一つの同じ生き物なんじゃない???


私はいつまでも笑った。
くすくすくすっ


「んだよっ!笑うなってばよっ///////」



「きゃーーーーっ///// やだぁっ やめてよぉ ナルトぉぉぉ!!」


ナルトが私の体をくすぐるから、私もナルトをくすぐって、2人でゲラゲラ笑って、
そして何度もキスをして、そしたらまた抱きしめて。


ねぇナルト・・・
もっともっとキスして?
もっともっと抱きしめて?


本当、お前って欲張りだなっ・・・



くすくすくす・・・・





なぁ・・・

もっともっと好きだって言ってくれよ
もっともっと強く抱いてくれ


本当ナルトって欲張りだねっ・・・


くすくすくす・・・・




なぁ・・このままでいい?

だめ・・・電気消して?

分かったってばよっ/////





ナルトはそっとベットから立ち上がる


カチッ


スイッチの音が私達の世界から明るさを消し去る
窓から差し込む月のやわらかい光だけが、ゆっくりとベットの足元を照らしていた。


影になって見えるナルトの体がそっと私に近づいて、少し緊張する私の体を
ゆっくりのぞって、私の服をそっと脱がせる。

「大丈夫。俺を信じろって・・・」
「うん///」

そこから先はまだ内緒。
暗がりでひっそり確かめあおう。
2人の愛の証を





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