結局、シカマルは私をおんぶして家まで帰ってくれるらしい。


「おらよっ」

「やったぁ/////」

目の前で屈んだシカマルの背中に抱きつくと、

「あぁ・・・重てぇっ 」

そんなこと言いつつ、シカマルはヒョイと私をおぶったまま立ち上がる。



「なんだ?以外と軽いなお前、ちゃんと飯食ってんのかよっ」


シカマルが驚いた顔で振り返るから・・・・


「ダイエット中だもん!! シカマル、私が痩せてて良かったねぇvv」


顔を覗き込んだら、


「は?チビなだけだろ?」


何よぉ・・・意地悪!!!
でも・・・


「うわー なんかいつもと視界が違う!!」


チビの私がいつも見てるちっぽけな世界が、背の高いシカマルの背中に乗ったら、
いきなりグーーンと広がった気がした。


「チビで良かったなぁ 


シカマルは くくく と笑う。


「もう!!!意地悪!!!」



だけど、いつもより広い視界が、なんかすっごく新鮮で気持ちいいかもvv
いつもより風を感じる。
遠くの町に灯りが見える。


なんか不思議。




そういえば、昔もよくシカマルの背中におんぶされて帰ったなぁ。



「なーーんか子供の頃を思い出すねぇ////あの頃はシカマルにしょっちゅう迷惑かけてたかも///」


そうそう。
幼い頃から私とシカマルはいつも一緒に遊んでいて、私が転んで泣いた時は、こんな風にいつもおんぶしてもらってた。


「子供の頃?今もだろ?」

シカマルはチラリと背中の私を意地悪な目で見る。

「うるさいっ!!」

「痛てっ」

シカマルの結った髪の束をグイッと引っ張ってみた。

「やめろっての、落とすぞ!」

シカマルがわざと抱えた腕をゆるめるから・・・

「きゃーーだめーーー!」

私はとっさにシカマルの肩にギュッと掴まった。


「バーカ。マジでやるかよ。いちようお前、怪我してるしな。」

「怪我してなかったら・・・落とす?」

「ったりめぇだろ?」


くくく なんてまたシカマルは笑ってる。
もう!いつもそうやって私をからかうんだからさっ////////


それにしても・・・


私はシカマルの肩に掴まりながら考える。
シカマルの背中ってこんなに広かったっけ?


「なんかシカマルじゃないみたい・・・・」

私は思わず呟いた。


「またお前は意味わかんねぇことを・・・」


シカマルが はぁ とため息をついたのが分かった。


「だって・・・・」

「だってじゃねぇよ。お前のわがままに付き合って、おぶって帰ってやるような奴が俺以外にいるかよっ」

「まったくその通り!偉い!シカマル!」

「はぁ・・・ったく。俺はお前に甘いよな・・・・バカみてぇ・・・・」

「うん。甘いよね〜♪」

「うるせぇ/////」



そりゃもちろん、毎回ドジばかりする私にめんどくせぇとかなんとか言いながらも、付き合ってくれて、
そこそこ体重も増えた私をおんぶして帰ってくれる男の子なんてシカマル以外いないよ・・・


本当、昔からシカマルは私に甘い。っていうか優しい?


それは分かってる。
でもさ・・・そうじゃなくて・・・だから・・・その・・・・昔とは違うんだもん・・・・・



昔はシカマルは私と同じくらいの背丈しかなくて、細っこい体でさ・・・・



なのに今は私よりずっと大きい背・・・頑丈な胸・・・細いくせに筋肉質の腕・・・


いつの間にか 男 って感じになっちゃってさ///////


そう考えたら、急に照れてしまった//////





だから・・・・


「あぁ・・足痛いっ。 シカマルがもうちょっと上手に抱きとめてくれたらよかったのになぁ」

私はシカマルの背中で足をブラブラ揺らしながら、わざとぶっきらぼうにそう言った。


「はいはい。悪かったな。ヘタくそでよ。ったく、一言多いってのっ!!」


シカマルが ぶーたれた顔してるのが前を向いてても声で分かる。
でも、本当はくっついたシカマルの背中、すっごくあったかい///////


何か言おうとしたけど・・・素直に言えなくて・・・・
私はギュッとシカマルの首にしがみついた。


「おいっ ! 首絞まってるっ 苦しいって!!!」

「あっ ごめん//////」

「ごめんじゃねぇよっ!!殺す気かお前!!」

ゲホゴホッ ゲホゴホッ 
シカマルが大きく咳き込むから、背中の私はグラングラン揺らされた。

「きゃーーっ本当に落ちちゃう!落ちちゃうよぉ!!」

「あぁ 落ちろ落ちろっ」

チラリと意地悪な目で背中を振り向いたシカマルの目は涙目だ。

「意地悪。」

「お前のせいだっつうの」


でも、本当は落ちないようにと、さっきよりギュッと私の足を脇にはさんでくれたのが分かる。




シカマルも素直じゃないんだからさ////////










真っ暗な道。
もう夕飯の時刻だからだろうか、私達の他に外を歩いている人なんて誰もいない。


道端の電信柱も、昼間は青々としていた草や木もみんな真っ黒。
聞こえるのは、どこからともなく響いてくる小さな虫の鳴き声だけ・・・・


シカマルの背中にいると、シカマルの後ろの頭しか見れないからかな・・・
なんか急に寂しくて・・・・

「えいっ・・・・」

私は目の前でキラキラ揺れているシカマルのピアスを人差し指でピンッと弾いた。


「やーめろっ」

シカマルは後ろを振り向きもしないで、ちょっと怒った声を出した。


「なんで?」

「こそばいから・・・・」



ぷッ なんか笑える。シカマルが こそばい だって/////// 


「何笑ってんだよ?」

チラリと振りむいたシカマル。


「なんでもない//////」

「ったく//////」


プイッとまた前を向かれてしまった。



また沈黙。



シカマルにおんぶされて、地面から離れた私の足がシカマルの歩く振動に揺れている。
(なんかとっても静か・・・・・)


広くなった視界でも、私の目に移る景色は時折みえる家の明かりと真っ暗な道だけ。


暗闇ってなんか嫌い。
怖いとか、そんなんじゃないくて・・・
現実を捉える事ができなくなった私の目は、どうでもいいような事まで次々に目の前に思い出させるから。

なんか凹むんだよね・・・・・



「ねぇ・・・なんか話して・・・シカマル」

私は小声で呟いた。

「は?何をだよ・・・・・」

「なんでもいい・・・・」


シカマルの首のあたりに顔をくっつける。


「何?お前まさか怖いとか?」


くくく と笑われる。


「そんなんじゃないもん・・・・・」

「んじゃなんだよ?」


シカマルが振り向いた。




「今日もまたドジやっちゃったなぁ・・・って・・・・そう思っただけ・・・・・・」




そう。
私がシカマルの言いつけも聞かないで、無茶をして怪我をしたせいで、シカマルがその手当てを
してくれたり、後片付けをしてくれたり・・・

その光景ばかりが目の前に浮かんでくる。

そのせいでこんなに遅くなっちゃったんだもんね。


失敗ばっかりのダメな私。


はぁ・・・・・


ため息をついて、それから息を吸い込んだら、夜の匂いがした。




「ごめんね・・・私のせいで・・・・」



「バーカ。お前のドジは筋金入りじゃねぇか。そんなもん、もう慣れっこだっての。
 気持ち悪ぃから急にしおらしくなんなっ 調子狂うぜ。 ったく」



シカマルがプイと顔を戻したら、高く結われた髪が揺れた。



(なによ!なによ!シカマルのバカ!!そんな言い方ないじゃない!!)


「ど、どうせ私なんて、昔っから、ドジでバカでいつも女の子らしくないですよぉぉぉだっ!!!」


口では強がってみたけど、本当はそんな自分がすごく嫌なんだから!!
はぁ・・・自分で言ったくせに結構落ち込んだ。
どんなに頑張っても人並み以下の私。
強くなりたいのに!!



「シカマルの・・・・バカ」



私の気持ち・・・ちっとも分かってくれないんだから・・・・
シカマルの首に顔を押し付けたら、涙が出そうになった。


・・・もしかしてお前マジ凹んだ?」


チラリと私を見る目にも気づかないフリをした。


「・・・・・・・・ふん・・だ・・・・」


幼馴染だから、そんな私を昔からよく知ってるから、シカマルはすぐ私の気持ちを察知
しちゃうんだ・・・
いじけて泣きそうな私になんて、気づかないフリしてくれたら良いのに・・・


・・・・・」


「・・・・・なに・・・・・・」


「さっきのは冗ー談。」


シカマルがさっきよりゆっくり、優しい声で言うから・・・
せっかく我慢してるのに、なんか泣きそう。


「・・・・・いいもん・・・別に・・・・・」


シカマルに気なんか使われたら、なんか余計に惨めになっちゃうじゃないっ
だけど・・・シカマルは私にこう言った。


・・・・頭あげてみろよ。」

「え?」


半分いじけてシカマルの首元に顔を傾けていた私は、ゆっくりと空を見上げる。










「うわぁぁぁ。星・・綺麗・・・//////」










夜空は冷たく冷やされた空気に洗われて、星たちはいつもよりキラキラと輝きを
増して見えた。

「だろ?・・・なぁ。落ち込んで下ばっか見てっと、大事なもの見逃しちまうぜ?」

「うん///////」

さっきまで全然気がつかなかった。
夜なんてただの暗闇だと思ってた。
空を見上げたら、こんなに輝いた世界があったなんて・・・・・

私の視界の全てに星が輝く。
あまりに綺麗で、私は瞬きもしないで、空を見上げた。

「綺麗だろ?」

シカマルはその場に立ち止まって、私はそんなシカマルの背中の上でしばらくずっと
2人で夜空を見上げていた。


「本当・・・・すっごく綺麗・・・・」


私の心のモヤモヤがサーッと晴れて、この星空のように澄み切っていく。


うまい慰めの言葉とか、よく聞く励ましの言葉なんてシカマルは絶対言ってくれないけど・・・・
だけどシカマルの何気ない一言が私に勇気と元気をくれる。


シカマルって本当、不思議な人。




その時


「あっ!!!」


思わず空に向かって指を差す。


「なんだよ?」

「流れ星!」


私の目の前の空を一瞬だけ光って、消えた星。
あれは確かに流れ星だった。


「初めて見た/////きゃーすごい嬉しい/////」


私はその美しさに興奮した。
さっきの落ち込んだ気持ちなんて、この空にみんな洗い流されて消えちゃったみたい!


「もう笑ってるよっ ったく げんきんな奴」


シカマルは ぷっ と噴出した。


「へへへ//////」

でも・・・・シカマルのお蔭だよ。



「な?良かったろ?上みあげてて・・・」
「そうだね/////」


そんな時、シカマルはすっごく優しく笑う。
だから私も自然と笑っちゃう。



「んじゃ、行くぞ」

「うん/////」


シカマルはまたゆっくりと歩きだす。
それから2人で黙って、私はシカマルの背中の心地よい揺れを感じながら目を閉じた。
あったかくて優しいシカマルの背中・・・・


シカマル・・・こうやっていつまで私達、幼馴染の仲良しでいられるのかな?
私、これからもずっとずっとシカマルの1番近くにいたいよ・・・・



私はシカマルの背中に顔を寄せて、ずっとそんな事を思っていた。




(ねぇシカマル・・・・あなたは一体どう思ってるの?)












「やっとここまで来たぜ」

「え?」



顔をあげたら、シカマルと私の家へと続く坂道の手前に私達は立っていた。


(本当はね、シカマル・・・私、家になんてついて欲しくないよ。
        ずっとシカマルの背中にくっついて、この空を見ていたい。)


だけど、そんな気持ち、絶対シカマルに言えない。
だからね、私はその気持ちをかき消すようにこう言った。



「駆け出して登ってよシカマル」


「は?   ゼッテェやだ。めんどくせぇ」


驚いた顔で振り返ったシカマルは私の意見を即却下。
そう言うと思ったけどねっ


「だって、お腹すいたんだもんっ!!!!」


シカマルの背中で私はわざと足をバタバタ。


「だから暴れんなっっつうの!!」

「じゃ、走る?」

「ったく・・・・めんどくせぇ・・・・・」



ヨーーイドン!


私の合図でシカマルは私を背負ったまま坂道を走りはじめた。




左手に見える、幼い頃シカマルと遊んだ公園。
右手に見える、修行の帰りにいつも2人で買うお茶の自販機。
その先に、時々2人で寝転んで空を見上げる草はら。


シカマルの背中でシカマルと思い出がいっぱいつまった場所をシカマルは私をおぶってグングンと走って過ぎていく。




(途中で止まられたら、きっと私は『やっぱり帰りたくない』なんてバカな事を言ってしまいそうだから・・・)



「シカマルもっともっと早く早く〜」


「冗談言うな!もう限界だっつうの!!」





道の途中で、夕飯の良いにおいが鼻先をくすぐる。
もうすぐ坂道のてっぺん。そこが私達の家だ。





「頑張れシカマルーーーー!!」


「背中が重過ぎて、もうスピード出ねぇんだけどよっ」


「うるさいっ! 男でしょ?しっかりしなさいっ!!」


「へいへい。」



あはははは








(あのねシカマル。本当はあなたがすっごく大好きだから、離れたくない!
    ・・・でも、気持ちを伝えて、今の関係が壊れてしまったら怖いよ)








「もうちょっとだよっ シカマル!」


「あぁ・・・もう・・・めんどくせぇよ本当!!」


「もう少しでゴールです!シカマル選手!!」


てっぺんまでもうちょっと!右側に私の家の門、左側にシカマルの家の門が見えた。





(本当はまだ着いて欲しくなんかないっ・・・・)






ズザッ


シカマルは足の裏で地面の砂を蹴って、ちょうど私の家のドアの前で制止した。


「到着〜〜!早い早いシカマル〜♪やれば出きるじゃない?」



心と裏腹に笑うのって、案外辛いなぁ・・・・・



「あぁ・・・疲れた・・・」


シカマルはゆっくりと背中から私をおろす。
地面に足をのせたら、急に空が遠くなった気がした。



今までくっついてた体がシカマルと離れたら、夜風にひんやりした。






(寂しい・・・・)








「ありがと////シカマル」


精一杯の笑顔をしてみたつもり・・・・




はぁはぁ・・・
シカマルは肩で息をしながら、汗だくの顔で私を見ている。


「ったく本当お前といるとめんどくせぇっ」


額から流れる汗を腕でぬぐいながら、でも、シカマルは へっ て笑ってて・・・・
めんどくせぇは単なる口グセだって、もう分かってる。






(シカマルも私と同じ気持ちでいてくれたら嬉しいのに・・・・)








「んじゃまた明日なっ 

シカマルが私の頭を撫でた。

「え?」



(シカマルが行っちゃう・・・・)



心が一瞬止まった。


(やだよっ 私シカマルに側にいて欲しいの!!)



なんかもう・・・その想いでいっぱいになって、他には何も考えられなくなった。


星がどこまでも、輝いてて・・・その輝きがあまりに綺麗で愛しくて、儚くて・・・・
だから私、シカマルともっとずっと一緒にいたくて・・・




「シカマルっ」



目の前のシカマルの中忍ベストのお腹のところをギュッと握った。



「・・・な・・・に?・・・どした?・・・。」


シカマルが少し驚いて、私のことをジッと見ている。



(だって私、シカマルの本当の気持ちが知りたい・・・・私、もうシカマルが好きで好きでしょうがないっ)


ベストを握った手に力が入る。
シカマルの顔も見れなくて、ギュッと目を閉じた。






「シカマル。大好き!!」





たぶん私の抑えてきた感情が一気に溢れだして言葉になったんだ。




(とうとう言っちゃった・・・・ずっと内緒にしてた想いだったのに・・・・)






「・・・?」




私が今シカマルに一番伝えたい気持ち。






「大好きだよ////シカマル」






(ねぇ何か言って?)






「////////////」






上を見上げたら、暗がりでも分かっちゃうぐらい真っ赤になったシカマルの顔があって・・・・





シカマルのそんな顔見られるのは、きっと私だけ。
ねぇ、私たまらなくシカマルが大好き。






何も考えずに無意識に シカマルの赤くなった頬を両手で包んだら、ひんやりと冷たかった。


「シカマルのほっぺた・・・冷たくなっちゃったね・・・」




なんで私、こんな事しちゃうんだろう・・・・
私はゆっくりとシカマルに顔を近づけた。





だって、私のせいで冷えてしまったその頬の冷たささえも、なんかすっごく愛しくて・・・・大好きで・・・・・




・・・・・」


シカマルの目が見開かれたところまでは確かに見てた。





だけど・・・・・


















男の人の唇も柔らかいんだ・・・・・・・











私からシカマルに・・・キスした。






シカマルが今どんな顔してるか見たいけど、恥ずかしいから目も開けられない。
心臓がドキドキしてる。
シカマルの頬を包んだ手のひらが今更緊張して、体が強張ってる。
くっつけた唇が震えた。



だけど、シカマルが好きだから・・・
ずっとずっと一緒にいたいから・・・





でも、そうだよね。シカマルの気持ちも聞かないで、こんな事してごめんね。




そっと唇を離して、目を開けたら、さっきまでキスしてたシカマルの唇・・・以外と形のいい鼻・・・そして、私を
ジッと見ているシカマルと目が合った。



真剣な顔・・・・



何か言われるのは分かってるけど・・・だけど、怒らないでっシカマル!


「ご、ごめん。シカマル・・・急にこんな事して・・・でも、私は本当にシカマルのこと大好・・・き・・・」


「バカ」


いきなりギュッと腕をひっぱられた。




今、私の視界には、シカマルのいつものシルバーのピアスがついた形のいい耳と、風になびく結われた髪と
さっきより輝きを増した星空が見える。

そして、鼻先をくすぐるいつものシカマルの優しい匂いを感じる。


(シカマルが抱きしめてくれたんだ・・・・・)


愛しくて、大きなシカマルの背中を私もギュッと抱きしめた。



ドキドキと重なる鼓動。






「ったく・・・なんでそうなんだ?お前は・・・/////」

「え?なに?」

「いつか俺からするつもりだったのに・・・先にすんなっつうの//////
 男の俺の立場がねぇだろうが/////」

「シカマル・・・・//////」






「けどよ・・・俺がお前を待たせてたんだよな?・・・ちゃんと言ってやれなくて・・・悪ぃ。」






あぁ・・・そうなんだ。
シカマルもずっとずっと私を好きだって気持ちを隠していてくれてたんだね・・・・
私との関係を壊さないように・・・・




お互いに目が合ったらなんだか笑えた。




「シカマル、ちゃんと言って?」


だって、私はちゃんと言ったよ?




シカマルは頬のあたりを指先でぽりぽりと掻いた。
すっごく恥ずかしそうなのが分かる。

でも、今はちゃんと聞きたい。
シカマルの口から、本当の想いを



シカマルが真剣な顔になって私をジッと見た。








「好きだぜ/////////」








シカマルの腕が私の体を引き寄せた。




優しく指先でなぞられる唇。
私はそっと目を閉じた。




私の唇にやわらかく触れるシカマルの唇はあったかくて、優しくて、気持ちが星空とリンクして
キラキラ輝いた。



好き 好き 大好き/////




ねえ私達、ずっと前からお互いに『幼馴染』っていう関係を超えたくて、ちゃんと意識しあって
いたんだね。


「もっとキスして? シカマル」

私はシカマルの顔を見上げて笑った。
だって、気持ちだけじゃもうおさまらないっ
もう認めあってもいいよね?



ずっと言えずに我慢してきた お互いの気持ち。






「あぁ・・・いっぱいしてやるよっ」





シカマルの長い指先が私の頬を軽く撫でて、顎に触れる。





星空に包まれて抱き合って、何度も何度もキスをして・・・・




「ねぇシカマル。これからもずっと私の一番近くにいてくれる?」

「当たり前だろ?めんどくせぇけど、俺は昔からお前にだけは甘ぇからよっ」




くっつけた鼻先の距離でお互いに笑いあったら、星空がキラキラと輝いた。














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