「うお?もしかして、これが、手作りのチョコかよ?」

きゃんきゃん!


キバも赤丸も私からのチョコを目を輝かせて見つめている。


「どうぞ召し上がれvv」


「やったぜっ!サンキューvv いっただきまーーーーーーーーーーーーす!!」


カプリ


赤丸にも食べやすいようにと、わざわざ小さいハート型につくったたくさんのチョコ。
キバと赤丸は一つつまんで、2人でパクリと同時に口に入れた。



「うっ/////」

キバがもらした言葉。

「う?」

う・・・って何?

「うぅ///////」

「う・・・・うまい?」

途端にキバが ガバリ と私の肩を掴んで顔を近づける。

「やだ。キバ。何泣いてんの?そんなに感動してくれなくてもいいのにぃぃ////////」



「まずい・・・・・・・・・・・・・」

「え?」


うげぇーーーーーーーー


目の前で、キバが口から私の手製のチョコを吐き出した。



ギャウンッ



赤丸まで・・・・・




「ちょっとぉぉぉぉ!!何やってんのよ!かわいい彼女からのチョコを吐いたわね!!」



「お前!毒もったろ?いや絶対、俺を殺そうとしてる。間違いねぇ。じゃなきゃこんな
 うんこみてぇな味のチョコ作れるわけねぇよ!!」


キバは涙を流しながら、叫んだ。



私はとっさにキバの胸倉を掴んだ。



「キバ・・・あんた今、なんつった?う、うんこ?」


「それしか表現のしようもねぇ味なんだよ!! これはもはやチョコ以前の問題だ。
 地球上の食いもんじゃねぇ・・・・・」


はぁはぁと息をあらげて、真っ青な顔をしているキバ。


もしかして・・・あれを入れたのがやっぱりいけなかったのかな?・・・・
私はドキドキと苦しそうな顔をしたキバを見つめて無言になっていた。


「お前、このチョコに何入れた?」

「あ・・・愛情・・・・」

「愛情だぁ?他に余計なもんゴッソリ入れただろ?」

ギクリ

「おい。。俺の目ぇ見て言えってんだよ!!」

キバの獣のような目が私を睨んでる。
怖いよぉぉぉ

「白状しろ。俺を殺すつもりか?」

そんな訳ないじゃないよぉぉ。だってそのチョコには本当に私の愛情を詰めた
つもりだったんだし・・・


「な〜に〜入れた〜〜〜」


もうキバは尋常じゃない状態になってる。
きゃーーー 怖いわぁ・・・・・


「か・・・・・・・・漢方・・・・・・・・・」




「あ?」




「昨日、ヒナタにもらったの。疲れて興奮しすぎて眠れない人用に気持ちを落ち着かせる作用
 のある漢方・・・・」

「あ、あのなぁ・・・・」

「だってキバっていつも乱暴で、落ち着きないから、ちょっとでもリラックスさせてのんびり
 させてあげようかと思って・・・・・」


「ありえねぇ・・・漢方だぞ?漢方。薬草だぞ?チョコに薬草入れるバカいるか!!!」


キバに怒鳴られて、なんかすっごく腹たってきた。
私は私なりに一生懸命作ったのに・・・
そりゃ、作っているうちに変な匂いとかしてきて、味見するのも怖くてやめちゃったけどさ。
体にいい事は間違いないのにさ・・・・・



「な、なによぉ・・・・いいもん。キバなんかにもうあげない!これは他の男の子に
 あげちゃうもんっ」


私はキバの目の前に置かれたチョコの箱を掴んで、自分のかばんにしまった。


「あぁ勝手にしろよ!相手に暗殺者だって疑われても知らねぇかんな!」


そこまで言うか・・・・


「キバなんか大ッ嫌い!!体にいいチョコくれたって、私が他の男の子に好きになられても
 知らないからね!!」


「そんな訳あるか!そんな、うんこ味・・・の・・・・」



バコンッ!!!



「痛てぇ!!!」







キバを思いっきり殴って、逃げた。


!てめぇ!!いい加減にしろ!」


キバの怒鳴り声を完全に無視して全速力で逃げた。





















「ちぇ。なんだってんだよっ のバカやろう。」

きゃうん

「わかってるよ赤丸」

俺だって分かってるよ。
が俺の為に色々試行錯誤して考えて作ってくれたチョコだったって事ぐらいよ。


けど、あの味はねぇだろ・・・絶望的だ。世界の終わりだ。天変地異だ。


俺はよぉ、甘くてとろけるようなチョコを楽しみにしてたんだぜ。
いくら愛するの手作りでもあの味は耐えられねぇよ。





きゃん
(本当にが違う男に取られちゃったらどうするの?キバ)


赤丸が俺の足を押した。


「ありえねぇ。あんな変てこ味のチョコもらって喜ぶ奴なんざ、いねぇよ」


きゃんっきゃんっ
(でも、かわいいから、それでもの為にチョコ食べてくれる男がいるかもよ?)


「・・・・いや・・・・それは・・・・・だってあのチョコだぜ?」


きゃんきゃん
(じゃあ、キバはあんなチョコ作るは嫌い?)


「え?・・・・いや・・・・・」



あんな不器用ですぐキレて暴力的な女・・・・
でも、俺の為にいつも一生懸命で、笑ったらメチャクチャかわいくて、俺をあんなに
想ってくれるは・・・・すげぇかわいいし・・・・俺は・・・・
そりゃ、やっぱすげぇ好きだって。










「あいつどこ行ったかな?」


立ち上がって鼻にチャクラを集中する。
その瞬間、ドキリと俺の心臓が音をたてた。

の匂いにまじって、別の男の匂いがする。


「くそぉ。急がねぇとな。に手ぇ出す野郎は、俺がぶっとばす!!」

きゃんきゃんっ











キバから逃げて走ってきたら土手についた。
そこにナルトとシカマルが寝っころがっていた。


「シカマル、ナルト・・・・・」

「ん?・・・どうしたんだってばよ?」

ナルトは上半身を起こして、私を驚いたって顔で見た。


「めんどくせぇ。どうせまたキバと喧嘩でもしたんだろうが?」

ギクッ

図星。


シカマルは寝っころがったまま、ふんと鼻を鳴らした。


「だって・・・・」


「まぁまぁ隣座れってばよ」

「うん。ありがと・・・」





ナルトとシカマルにさっきのキバとのいきさつを話すと2人はお腹を抱えて笑いだした。



「お前ららしいってばよぉ」

「そのチョコマジでやべぇんじゃねぇのか?一口であの世いきとかよ?」


2人はまだ笑ってる。


「違うよぉ!本当にキバの健康を考えて調合して一生懸命作ったの!!!」



「あぁ。分かってるってばよ。お前は頑張ったんだよな?」

くくく。
ナルトは涙出してる。

「でもさすがに俺でも、うんこ味ってのはちょっと食えねぇな・・・・」

シカマルもくくくと笑った。

「そんな味じゃないよぉぉ!!もうっ!」









「あぁ!このやろう!シカマル!ナルト!てめぇら、何とイチャついてやがんだよ!殺すぞ!」

ぎゃんぎゃんっ




「キバ?/////////」



びっくりした。
キバったら、私を追ってきたんだ。



の愛情たっぷりのチョコも食えねぇやつが偉そうに言うなってばよっ」
ナルトが へん と笑った。

「そうだなぁ。めんどくせぇから、ナルトがこのチョコとごと全部もらっちまうってよ!」

「なっ!チョコごと?」

シカマルの言葉にナルトの目が点になっている。




「な、なにぃぃぃぃ!!!ナルトてめぇ!!」

キバの顔はみるみる獣のように鋭くなっていった。





「シ、シカマル?」

私はなおも涼しい顔で頭の上で腕を組んでいるシカマルを小突いた。

(いいから、任せとけよっ)

シカマルが小声で呟く。

の愛情たっぷりのチョコはナルトに全部食わせるぜっ!」

シカマルがナルトにチョコの箱を手渡して、小声で囁いた。


の愛情いっただっきまーーーーーす!!」


ナルトが箱ごと口元にもっていった。





「待て!お前が食うな!の愛情は全部俺がもらうんだよっ!!」




もの凄い速さで土手を下ってきたキバがナルトから勢いよく箱をうばって、ざざざーーーっと
一気にあのチョコを口に入れた。




もぐもぐもぐ。
キバの口いっぱいに入ったチョコ。




「た、助かったってばよぉ・・・・・」

ナルトはへなへなと地面に倒れこんだ。

「良かったなぁキバ。からの愛情をたっぷり受け取れよ」

シカマルは ニシシ と笑った。





キバの口は絶えず動いていて、口の中の物をなんとか飲み込もうとしているらしいけど・・・・・
キバの目からみるみる涙が流れて、もう見てるこっちが辛くなっちゃうような姿。



「ねえキバ大丈夫?無理しないで?」


私がキバの肩を掴むと、キバはブンブンと横に首を振った。


「おぅおぅやるねぇ。愛の勝利ってやつか?」

シカマルは半ばあきれたって顔でそんなキバの肩をトントンと叩く。

「良かったなぁキバ。俺に食べられなくってよ!」

ナルトも反対側の肩を叩いた。



キバは両肩にいるシカマルとナルトの顔を交互に見て、相変らず首をブンブンと
横に振っている。


「なんだよ?」

「なんだってばよ?」



キバったら・・・・
あんなまずいって言ってたチョコを全部食べてくれるんだ・・・・・
なんかジーーンと嬉しくなった。



「ねぇキバ・・・私嬉しい////////」



キバに抱きつこうとしたら、キバが私の体をボンと押しもどして、今度はもの凄い速さで
首をぶんぶんと横にふった。


「え?何?」

「無・・・・・・・理」

「なにが?」

「やっぱ・・・・死ぬ・・・・・」



うげぇーーーーーーーーー




大量に吐き出された私のチョコ。









ぎゃははははははは!






ナルトとシカマルはその横でまたお腹を抱えて大笑い。






「キバ!あんたね!結局全部吐いてんじゃないよぉぉぉぉぉ!!!」

「頑張って食うつもりだったけど・・・俺、マジで死んじまうよ、
 勘弁してくれよ。」

「やだ!許さない!!」

「頼む。お前の他のお願いなら、なんでも聞いてやる・・・だからこれは許してくれ」





いつも威張りん坊のキバがめずらしく低姿勢。
もしかして、ちょっとはあの漢方が効いてるのかな?





「なぁ俺頑張ったろ?」



まぁね、確かにうんことか言ってた割りには頑張ってよね・・・・・・・
いちよう全部食べようと努力はしてくれてたみたいだし・・・・


振り返ると、キバの口のまわりやら服やらには無残に吐き出されたチョコの残骸が・・・・



「キバ・・・・家に帰ってその汚い顔を洗ってきて!服も着替えてきてよ!!」


「ちっ 誰のせいだよ誰の・・・・・」


キバはチョコまみれの口元を袖で拭いた。


「そしたら私の家に来て。すぐ来て。」

「まさか・・・・チョコの残り食わすとか言わないよな?」

ふふん。

「来るの?来ないの?」

「あぁ・・・チョコ・・・あるのか・・・やっぱ・・・・・」

キバが頭を抱えてる。

「だって、キバの為にいっぱい作っちゃったんだもん」

「はぁ・・・・」


『ご愁傷様です』


ナルトとシカマルがキバの肩をポンポンと叩く。





バカ・・・・箱に入りきらなかったあと2個分しか残ってないわよ。
みんなして私のことバカにしてさっ!!!
みてらっしゃい!!







「ねぇキバ?」

「なに?」

「その代わり・・・・食べてくれたら・・・甘くてとろける ちゃんをキバにあげるvvv」







キバもついでにナルトやシカマルまで真っ赤な顔になった。
男って本当単純。


「キバ・・・・こりゃ食わなきゃだよなぁ?」

ナルトがニシシと笑う。


「どうでもいいけどよ、チョコのせいでまた吐くなよ?今度こそに殺されるぜ?お前」

シカマルもニシシと笑う。






「あぁ俺ちゃんと食う。なんでも食ってやるよ。うんこでもなんでも俺は食うぞ!!!」







キバはひゃっほーって大声で叫ぶから、






「あんたねぇ、私のチョコを勝手にうんこにすんな!!!」





ぎゃははっははは

ナルトもシカマルもまた大笑い。





「悪かったって!っ」


「もう知らないよぉ!」


怒ったふりして逃げてみる。



キバは必死で手をごめんなさいにして組んで、私を追ってきて、そして後ろから抱きしめられた。



「チョコも頑張るから・・・・だから・・・今夜、の事 食っていい?」


耳元でそっと囁いたキバ。


『いいよ//////愛してるキバ』


ほっぺにチュッ


そしたらあなたはまた真っ赤になった------------------------------------------------


















戻る
55 STREET / 0574 W.S.R / STRAWBERRY7 / アレコレネット / モノショップ / ミツケルドット