「バ、バイト〜ッ!」
なんなんだよ急にっ

「そっ。ほら、キバも知ってるでしょ?中が茶屋になってる
 おだんご屋さん」

「・・・・あぁ・・・知ってる・・・・」
知ってるけどよ・・・・

「なんでバイトなんかすんだよっ」

「かわいい服見つけたんだもーーんっ 絶対欲しいぃぃ!」

「なんだ?それっ それがバイトの理由かよっ」

「うん」

俺のかわいい彼女はこれまたかわいい笑顔でニコリと微笑んで
そんな事を言いだした。

・・・お前は何着ててもかわいいって!別に何もバイトまで
 するこたーねーだろーが・・・・」

そうだよっ 俺と会う時間が減るっつうんだよっ 

「だって・・・・それ着たら、もっとかわいいかもよぉ?そしたらキバ
 も嬉しいでしょ?」



「いや、俺はむしろ何も着てないほうが嬉し・・・・・」



「キーーーーーーバーーーーーーーーー!!」

鬼のような顔で睨む・・・・・
俺はその殺気に少し後ずさりした。

キャンキャンッ
すかさず赤丸の危険サインをキャッチ!



「違う・・・・違うんだって・・・は・・その・・・自然にありのままで
 十分かわいいっつう意味だよ・・・・・・・・」

はかなり疑うような目つきで俺を見上げながらも、いちよう
呟いた。
「あ・・・りがと・・・・」



あっぶねーーー。
はマジで俺より強い時があるからな・・・・
ふぅぅーーーーー 冷や汗かいた・・・・・


『赤丸、悪ぃな・・・命拾いしたぜ・・・』
『くーーーん』

俺は赤丸を抱き上げて、安堵の息を吐いた。


「とにかくぅ・・・バイトはもう決めちゃったことだし。
 今日からはじめるからね!お金たまって、バイトが終わるまで
 デートはおあずけだよ キバ」

上目使いで余裕の笑顔・・・・・
お前は随分平然と言ってくれんじゃねーかよ・・・なんかムカつくぜ・・・
俺だけに毎日会いたいみてーじゃねーか・・・・

「けっ 俺は別に構わねーぜ。バイトしたけりゃすりゃーいいだろ。」

「わーーーい。ありがとうキバ!もしかしたらキバは、寂しいから
 辞めろとか言うかと思ってドキドキしちゃったぁ」

は はぁ なんて溜息を吐いた。

ドキッ

「バカ!俺が言うかよっ そんなこと・・・・」

俺は内心焦った。い、言わなくて良かったぁ・・・・・はぁ・・・・


「それじゃーバイトに遅れちゃうから、行くね。バイバイ〜キバ!」

くるりと踵を返して、は何度も振り返って俺に手を振っていた。
当の俺は何も言い返すことが出来ず、ただ呆然と手を振るだけ・・・・

「なんなんだよ・・・のやつ・・・俺の気も知らねーでよっ・・・
 勝手なことばっかしやがって・・・俺はもうマジで知らねーぞ・・・・」

くーーーん
足元で赤丸が寂しそうに俺の顔を見上げる・・・・

「いいんだよっ あんなバカ知るかっ 行こうぜ赤丸」

キャンキャンッ

俺は赤丸と2人で駆け出した。









「ありがとうございましたぁ」




くーーーん。
『しっ 声がデケーぞ赤丸!に見つかっちまうだろうが!
 おとなしく俺の中にいろ!』

とは言ったものの・・・・やっぱ心配なんだよな・・・・
が気になって帰るに帰れねー・・・

俺はだんご屋から少し離れた草に体を隠して、そっと覗きみていた。
それにに悪い虫がついたら大変だしな・・・

「はぁ・・・にしても・・・なんで俺がこんなことしなきゃならねーんだよっ 
  冗談じゃねーな・・ったくよぉ・・」

俺は深い溜息をつきながら、だんご屋で働く笑顔のにみとれていた。


するとそこに若い男達の客がちょうど店から出てくるのが見えた。

『あの子かわいいなーーー』
『新しいバイトの子らしいぜ・・・』
『マジ!俺、後で声かけちゃおっかな・・・・』


ほーーらな・・・おいでなすったぜ・・・・こういう奴らがいるから
俺はお前をバイトさせるのなんてイヤだっつんだよ・・・
けどな・・・・・・


「そんなやつらは 俺が全員ぶったおしてやんぜっ!」

俺は店の奥にが入っていったのを確認してから、そっと草から
出て、男どもに近づく。

「よぉ・・お前ら、ちょっと待て」

俺は男達の前に立ちふさがった。

『誰だ?コイツ・・・・・』
2人組みの男達はいかにもケンカするのかよって態度で敵意むきだし
で俺を見つめている。

笑っちまうよなぁ・・?赤丸?
お前もそう思うだろ?
キャンキャンッ!!

「あいつに手ぇ出すんじゃねーぞ。・・・・あいつにはもう、強くて、かっこいい男
 がいっから・・・・お前らじゃ相手にもなんねーっての・・・・」
俺はふんっと鼻で笑った。
キャンキャンっ
足元で赤丸も激しく吼えた。

『なんだぁこの小せー犬は?・・・なめてんのか?』

「けっ そいつをバカにするとケガすんぜ・・・・・俺達とやりあおうなんざ10年早えー。
 とにかくあの女に手ぇ出すなよ!」

『けっ うるせーんだよっ』

ガツッ
男達は突然俺に向かって掴みかかってきた。

はっ 本当笑えるぜ。
それで攻撃してるつもりかよ・・・・・
先手必勝って言葉はあるが・・・・俺には通用しねーぜ・・・・
俺の動きについてこれるわけねーだろ?な?赤丸!
キャンキャンッ



案の定、2人がかりでも、俺に触ることすら出来ず、男どもは
俺の目の前にガクリと倒れた。

・・・・・弱ぇーーーこいつら・・・・一般人?


俺は2人の体を草むらへヒョイッと捨てておいた。








「なんだ?なんだ?なんか騒がしいな・・・・」
だんご屋の親父が出てきた。

「何ですか?」
のれんをくぐって、が顔を出す。

俺と赤丸はその場で体が硬直した。

「キバ!」

やべーーーけんかしたのバレたら、またに怒られるぞっ

「お・・・・・おぅ、ちゃんと働いてるか?」
俺の顔、ひきつってねーかよ?赤丸?
キャンッ

「キバなんでいるの?」
は眉をしかめてちょっと睨んだ。

「バ、バカ!俺はだんごを食べに来たに決まってんだろうが!」

「それはどうもいらっしゃいませ」
親父は丁寧に頭をさげて、店内に俺を案内した。

「けっ 俺は客だかんなっ」
俺はまだ疑うような目線で俺を睨んでいるの横をふふんと
笑って通りすぎた。






「キバって甘いもの嫌いじゃなかったっけ?」
は席についた俺に水を出しながら、眉間にシワを作りつつ小声で聞いた。

「バカッ 俺、甘党だって知らねーのか?特にだんごはもう大好物だぜ!」
嘘嘘・・・甘くて、しかも柔らかい感触がすっげー気持ち悪ぃ・・・・

「そうなんだぁ・・・」
けど、はまんまとだまされて、急に笑顔になった。

「私ったら、キバがまた変な心配して、覗きにきたのかと思っちゃった。
 疑ったりしてごめんね」

すっごくかわいい顔で笑う・・・・

「そ、そんなわけあるか・・・俺はそんな暇じゃねーんだよっ」
アハハ・・・笑ってるのが辛い・・・・・
嘘つくの苦手だしな・・・・・


「はい。それじゃ、この店の1番人気のみたらし団子・・・どうぞ」

ゴトッ

机に置かれた、金色の甘いタレをめいいっぱいかけられた団子が3つ
なんで一個とかで売ってねーんだよ・・・・すげー気持ち悪ぃ・・・

「ははは・・・う・・・うまそーーーだな・・・・・・」

「このタレはねー秘伝のタレで、すっごくおいしいの!キバ食べてみてねっ」
は笑顔でそれだけ言うと、だんごを持ち帰る客の待つ、ガラスケースの
棚まで歩いていった。





「ほら・・・赤丸・・・・・」

俺は隣に座らせた赤丸の前に否応なくだんごを1本おいた。

グーーーーーン
赤丸はなんで俺まで食べなきゃいけないの?と言う・・・

『ばかっ 俺たちは運命共同体だろーがっ 辛さも分け合うのが相棒って
 もんだろうがよっ』
『キャンキャン』(それとこれとは別!)
『うるせーーー黙れ!俺の言うことが聞けねーのかよ!』
『キャンキャン』(甘くて柔らいものなんて食べれない!)
『俺だってそうだってんだよっ こんなもん食える・・・か・・・』


「静かに食べてよね・・・・キバ・・・・・」

おぼんを握ったがいつのまにか俺たちの目の前にいて、すっごく怖い顔
で睨まれた。

「はい・・・・・・・・」
俺と赤丸は下を向いた。





俺と赤丸は鼻をつまんで、一気に口に押し込める形で、ようやく皿の上の
団子を制覇した。

「き、気持ち悪ぃ・・・み、水水・・・・・」
 「ギャウゥゥ・・・・・」
俺と赤丸は交互に水を分け合い・・・はぁぁぁと深い溜息をついた。


あいかわらず店先ではお客に団子を売っている。

「あーーーーかわいいよな・・・やっぱしはよ・・・」

隣で赤丸も くーーーん と鳴いた。

「俺が守るしかねーだろ?あいつは俺の大事な女だしな・・・・」

きゃん  赤丸も納得してくれたみてーだ。

「んじゃ、そろそろ行くかっ」
キャンキャンッ

一応、今日はを狙おうとした男達はぶったおしたわけだし、俺の
役目はいったん終わりってとこだろ?

俺は席をたって、レジに向かう

「キバ・・・帰るの?」
は少し寂しそうな顔をした。

「おぉ・・・これから任務だしな・・・・・」

「え!これから? 任務前にお団子なんて・・・・キバ・・・・よっぽどお団子
 好きなんだぁ・・・・」

俺と赤丸はズルッとこけそうになった。
なんつー天然なんだっ お前ってやつは!!
まぁいいけどよ・・・・・

「んじゃ、任務の帰りにまた寄るからよ・・・家まで送ってってやるから・・・」

俺の言葉には特大の笑顔をみせた。

「ありがとう!キバ!任務頑張ってね!」

「おぉ・・・んじゃな・・・・・」

俺よぉ・・・多分、顔真っ赤なんだろうな・・・・


・・・やっぱり、がかわいくてしょうがねーんだよーーーー
俺はお前の為ならなんでもしてやるぜっ








「動きが鈍いはよ!キバ!」
紅から激がとぶ。

「うぇ・・・・気持ち悪ぃ・・・・・」

「おい、キバ・・・どうした・・・・」
シノの顔がぼやけて見えるぜ・・・・・・



オエェェェーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ


「キ、キバ君!」
ヒナタが駆け寄ってきた・・・・

けど・・・あぁ・・・頼むから、今俺に話しかけないでくれっ
気持ち悪くて、胃がひっくりかえりそうなんだよ・・・・・

オェェーーーーーーーーーーッ


また盛大に吐いた。
俺の胃の中で、消化できない団子のやま!


「キバ・・・本当に大丈夫なの?」
紅が俺の背中をなぜる。
「あぁ・・平気平気・・・・」
「無理するな。 お前は休んでろ」
「そ、そうだ・・よ・・・キバ君・・・顔色悪・・い・・よ」

「平気だっつってんだろっ。俺に命令すんじゃねー・・・」

強がってはみたものの、本当はまだ吐きたらないほど
辛れーーって・・・
けどよ・・・・
みんなに心配されて、俺はすげー罰が悪いっつんだよ・・・
まさか団子の食いすぎでなんて言えねーしよぉ・・・・・




『任務終了。お疲れ様』
紅の一言で解散となる。

ひきずるようにやっとの思いで任務を終えた俺。
この足で今度はを向かえに行く。

「さすがにキツイな・・・・」
はあ・・・

キャンキャンッ(キバ大丈夫?)

「あぁ・・・赤丸、心配すんな・・・」

俺は赤丸をフードにつっこんで、頭を撫でると、
チャクラを足に集中させて、一気にの待つ団子屋へと急いだ。






「お疲れ様でした」
仕事を終えたがのれんをくぐって出てくる。

(間に合った・・・・・)

俺は安心する。

「よぉ」

「あっ!キバぁ!」
が俺に駆け寄ってきた。

「どーだったんだよ?初のバイトはよ?」

「うん。楽しかったよvv」

「そっか・・・・・」
おーおー かわいい顔して笑いやがってよ。
俺の今日1日は最悪だぜ・・・

「帰るぞ」
「うん」

けど、まぁ嬉しそうに俺の腕にひっついてくるがかわいいから
俺はなんとか持ちこたえられそうだ・・・




家の前で、今日はお別れか・・・

「ありがとう・・キバ」
「おぅ」
「明日も任務、がんばってね!」
「分かってるって」

玄関の扉が閉まると、俺はすげーほっとした。


はぁーーーーー

その場で屈む。

クーーーーーン(キバ?平気?)

「まあな・・・まだ胃がムカムカすっけど、どーってことねー」

俺は赤丸を抱きかかえて、家へと向かった。






次の日

「いらっしゃいませーー・・・って・・あれ?キバ?」
「よぉ・・・・」
「なんか顔色悪いよ?」
「んなわけあるかよ・・・・・・」

おおいにある・・・まだ胃が重い・・・・

「任務は?」

「あーーー ここで団子食ったら行く・・・」


「えーーーーまた任務前に団子なの?キバってばよっぽど好き
 なのねーー」

キラキラした純粋な瞳でみつめるなって・・・・
ますます嘘だって言えねーだろ・・・


はあ・・・また団子かぁ・・・・
でも、食わなきゃ店の中にいられねーし・・・・
のこと守らなきゃならねーしなぁ・・・・・

俺が机につっぷしていると・・・


ドンッ

「キバぁ・・・キバの為に1本おまけしといたよぉ。店長には内緒ねvv」

「でぇっ・・・・・」
俺の目の前の皿には4本のみたらし団子がのっていた・・・・・



俺は無言で隣の赤丸に1本の団子を置く。

赤丸はブスッとしながらも、パクリと団子に食いついた。

「赤丸・・・お前はやっぱり俺の相棒だぜ・・・・・」
俺も半ば強引に口の中に無理やり団子を入れた。








「キバ・・・・あんた、昨日にもまして顔色悪いわよ・・・・」
紅が胡散臭そうに俺を見る。

「キバ・・・お前・・・何を隠してる?」
シノも俺につめよってきた。

「キバ・・く・・ん。もしかして・・・ちゃんの・・・」

俺はあせってヒナタの口を塞いだ。

「なんでもねーっ」

(ヒナタ!余計なこと言うなって!)
(ご、ごめん)

が心配で毎日団子屋に通ってるなんて言ったら、
俺のリーダーとしての威厳がよ・・・
絶対言えねーーー・・・




「ご苦労さま、無事に任務終了ね!」
紅の言葉にホッとしたら、俺の胃がまた異様な音をたてた

ギュルギュルギュル・・・・


オェェェェーーーッ


紅とシノとヒナタ、3人はそんなキバの状態を見て、顔を見合わせた。







「キバ?ねぇ・・・どうしたの?やっぱり顔色悪いよぉ・・・・
 だって、赤丸も元気ないみたいだし・・・」

赤丸も団子のせいで、ぐったりで、今は俺の胸の中で倒れる
ように寝ている。

「あ?なんでもねーって・・・お前は心配すんなっ」

連日、俺は団子屋→にちょっかいだす男をぶったおす→任務→を送る 
のお決まりコースを繰り返し、体がくたくたで、目の前がかすんでいる。

「ねえ・・・もう任務後に送ってくれなくても平気だよ?」
は俺が任務で疲れてると思ってるらしい・・・
違うんだって・・・俺的には大嫌いな甘い団子を朝から食うのが
1番辛いんだって・・・・

「こんな遅くにお前一人で帰らせられっかよ・・・俺は大丈夫だから・・・
 心配すんじゃねー」

「う・・・・うん」
はそれでも心配そうに、俺の腕にひっついて歩いた。

「ねぇ・・・キバ・・・いつもごめんね・・・・」
「いいって・・・・・」

そんな顔すんな・・・俺はお前に笑っててもらいてーんだよっ

今日も無事にを送り届けた・・・・・
俺は玄関の閉まる音に安堵する。







次の日

「ちょっとちょっと・・・キバも赤丸も真っ青じゃない!」
は店先で俺の腕を掴んで顔を覗き込む。

「ねぇ・・・帰って寝たら?」
「いや・・・平気・・・・・」

もう、甘い匂いをかぐだけで、吐きそうだ・・・・


「食べていくの?」
「あたりめーだろ・・・・・・」


俺はそういうと、いつものが見える特等席に力無く座った。

はぁ・・・・・
目の下にクマ・・・・ここのところ、飯も喉を通らず、やつれた頬・・・・
俺・・・死ぬな・・・・・・


を守ってやるはずが・・・俺と赤丸は無言で1点をみつめて
ぼーーーっとしていた。




ジリジリジリ〜

!電話だぞっ」
店長の声

「え?私に?誰だ・・ろう?」

   『・・・そこにキバ来てるわよね?』

 紅先生だ・・・
           
   「は、はい・・・」

   『やっぱり・・・どうりでね・・・』

   「どうしたんですか?キバがどうかしたんですか?」




・・・・・・・・・・・・・・・!!・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



私は電話越しにキバを見る。

必死にうつろな目をしながら、団子をゆっくりゆっくり口に入れているキバ。


   『ヒナタがやっと白状したのよ・・・あのバカはきっとが心配だった
     んでしょ?甘くて柔らかいものはキバの1番苦手な食べ物なはず
    よ?』

紅先生の言葉が私の胸を突き刺す。

「キバの・・・・バカ・・・・・・」






「キバ・・・・今日もおいしかった?」
俺の目の前の空になったお皿を片付けながらが俺の顔を見る。

「あぁ・・・すげーうまかったって。なぁ赤丸?」
クーーン
赤丸の声は弱弱しい・・・

俺はすごく無理して笑った。

「ありがと・・・・キバ・・・・・・」

「は?」

はじめ意味がわからなかったが、とりあえず今日はにまとわりつく
男達は来なかったし、俺は任務に行かなきゃな・・・・








任務地につくと・・・・


シノが俺に近づいて、肩をポンと叩いた。
「お前は本当にバカだな・・・・」

ヒナタは苦笑いしている
「毎日・・・ご・・・ご苦労・・様・・・キバく・・ん」

紅はニシシと笑って俺の両肩を掴んだ。

「やるじゃなーーい。のナイト君!」



で・・・・



「・・・な、なんで!!」


「ご・・ごめんね・・・キバ君・・・・・」

ヒナタが俯いている・・・はぁ・・・やっぱバレたか・・・・・・
俺は肩をがっくりと落とした。

「でも!無理は禁物よ!」
紅が人さし指を俺の目の前でたてた。
「こんな事で倒れたら、みんなの笑い者になるだけだぞっ」
シノは相変わらずふんっと鼻で笑ってサングラスをあげる。
「キバ君・・だい・ぶ・・・やつれてる・・よ・・・・」
ヒナタは相変わらず、心配してオドオドしやがって・・・

「うるせーーー分かってるよ・・・」

その日の俺はすげー罰が悪かった・・・・・・







俺はの店へと向かう。
俺の足元で赤丸がキャンキャンと吼えた。

あっ

店先にが立って、俺を待っているのが見える。

!どした?」
俺は思わずかけよった。

突然、が俺に抱きつく。
ふわりと優しいの匂いがした。

「今日でバイトやめたんだよ」

「え!なんでっ」
俺はの顔を覗き込む。

「お前、欲しい服があるとかなんとか言ってたじゃねーかよ」

「だって・・・・・・服なんかより・・・キバの方が大事だもん・・・・
 バイトしてたらなかなかデートできないし・・・・やっぱ寂しいっ・・・・・」




ギュッと抱きつかれて、俺の心臓はバクバクと音をたてる。




「それ・・・マジかよ?」
「当たり前でしょ?」
「俺の為にバイトやめんのか?」
「うん・・・これからは毎日デートできるね?キバvv」
「お・・・・おぉ」
「キバ大好きvv」

俺の頭の中はぐるんぐるんとふる回転で動き出す。

「お、俺もだ・・ッ」

もう無理して団子食うことねーーーんだっ
しかも、と毎日デートできるってわけかよっ
たまんねーーーーッ


ヒャッホーーーーーッ!


キャンキャンッ


俺は勢いよくを抱きかかえて、家へと走りだす。

「待ってよぉ 怖いよぉ おろしてキバーーーー!」

「やだねっ 絶対離さねーっ」
あたり前だろっ 俺の大事なだしなっ
俺だってすげー好きだしよっ

目の前の景色が風のように過ぎていく。

それでも俺は抱えた腕をギュッときつくして、どんどん速度をあげて
走りだす!

「降ろしてよーキバーーーッ」
「だめだっつってんだろっ」

だってよ・・・やっぱがすげー好きで好きでしょうがねーって。
お前を離したくねーんだよっ




あっという間にの家の前までついた。


「なんだよ・・・もうついちまったのか・・・・」

は俺の首に必死にしがみつきながら、言った。
「だって、キバがあんなに早く走るからだよーーーっもう!」

俺はゆっくりと地面にを下ろす。

はゆっくりと笑った。

「実は今日はキバにプレゼントがあるの。
        最後にとっておきの甘いものあげる・・・・・」

え?俺は少し後ずさる・・・・

「だって・・・キバは甘いもの大好きでしょ?」
は大きな瞳をくりくりさせて、俺を見上げる

「いや・・まぁ・・・それは・・・あれだ・・・・・」
もう勘弁してくれよ・・・・

キャンキャンッ
「こらっ 赤丸ずりーぞっ 逃げんな!」


「だーーーーめvv 問答無用!」


え?


俺の腕をぐいっとひっぱって、は俺にキスをした。
いつも俺からはしてるけど、からされるのは初めてで・・・


「どう?甘〜いキスの味は?」
は真っ赤な顔で俺を見上げた。
かわいいなぁ・・・は・・・・
「あぁ・・・最高!!」

俺はの頬を両手で包んで、もう一度キスをする。
柔らかいの唇に食いつくように何度も何度もキスをした。


「もう・・・食べすぎだよぉ キバぁ」
は恥ずかしそうに俯いた。

「あぁ?俺、まだ腹へってんだよっ」

こんなもんで逃げられると思うなよなっ・・・・
俺はまだまだ足りねーって・・・・

俯くの首をグイッとあげて、俺はまた柔らかいの唇に
キスをする。
絡める舌は、心地よく熱くて、甘い味がする。


君の甘味は俺を狂わす恋の味
それはそれは甘くてとろける柔らかさ・・・・


「んー。この甘味は病みつきになりそうだっ・・・もっと食いてー」

「バカ」

でも、は俺にギュッと抱きつく。
それって、もっといいってことだろ?

はぁ・・・・・・甘いものは苦手だけどよ・・・お前の甘いキスなら
俺はいくらでも食えるぜッ
そう、今日からめでたく俺も甘党ってわけか?








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